2006年08月26日

兵庫医大が中皮腫・アスベスト疾患センターを開設

初の中皮腫医療機関 兵庫医大今秋開設、予防や治療法解明

 アスベスト(石綿)が原因で発症するがん中皮腫の予防や発症メカニズムの解明、治療法の研究にあたる国内初の専門医療機関「中皮腫・アスベスト疾患センター」が今秋、兵庫県西宮市の兵庫医科大に開設される。

 同医科大は、大手機械メーカー「クボタ」旧神崎工場(同県尼崎市)周辺で中皮腫を発症した住民らの治療にあたっており、同社は研究費などを助成する方針。

 昨年6月にクボタが周辺住民の健康被害を明らかにして以降、中皮腫患者が増加していることから、年間100人前後の患者を診察している同医科大が、中皮腫に特化した治療・研究機関の設立を検討していた。

 センターは大学施設を改装して設け、呼吸器内科の中野孝司教授(55)ら医師5人が診察・治療にあたる。労災やアスベスト救済新法などについて、患者らの相談に応じる専門のソーシャルワーカーも1人配置する。

 また、アスベストを吸っても発症しないケースがあることから、遺伝子レベルで中皮腫の特徴を解析し、検診などでの早期発見に役立てる。手術や放射線治療以外に、製薬会社とも協力し、効果的な新薬開発に取り組むという。同医科大によると、2004年に約1000人だった中皮腫による死者は14年ごろに2000人を超え、30年ごろまで増加傾向が続く見通し。中野教授は「早期発見、早期治療によって、一人でも多くの患者を救いたい」と話している。

 中皮腫の治療法研究については、厚生労働省が今年度からアスベストを扱った工場の周辺住民らを対象に健康状態の調査を実施し、研究に役立てる。

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 兵庫医大Good Job!!

 中皮腫

 肺の周りの胸膜や肝臓などの臓器を囲む「腹膜」、心臓などを覆う「心膜」などにできる腫瘍。ほとんどはアスベストが原因で、吸い込んでから約20〜50年で発症するといわれる。悪性の場合、発症後の進行は早く、有効な治療法は確立されていない。

関連:医学処 アスベストで引き起こされる中皮腫の新薬、来年販売か
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posted by さじ at 03:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん
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