2006年08月25日

ビタミンB6を摂ることで、パーキンソン病になりにくくなる。

ビタミンB6の食事摂取でパーキンソン病リスクが減少する

 ホモシステイン濃度の上昇は、細胞毒性作用により、パーキンソン病(PD)のドーパミン作動性細胞死を促進すると考えられます。したがって、ホモシステイン代謝の共同因子である葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6を食事で摂取することで、血漿ホモシステインが減少し、PDリスクが低下する可能性があります。

 さらに、ビタミンB6は、ホモシステイン代謝とは関係なく抗酸化作用とドーパミン合成を助ける働きを介してPDリスクに影響を及ぼす可能性があります。

 55 歳以上の人を対象にしたプロスペクティブ・集団ベースのコホート試験(Rotterdam Study)に参加した被験者のうち、試験開始時に食事内容が評価され、痴呆およびパーキンソニズムが認められなかった5289人を対象にして、葉酸、ビタミンB12、ビタミンB6の食事摂取とPD発生リスクの関連を検討した結果が2006年7月25日のNeurology誌に報告されています。

 頻回の対面診察が実施されると同時に、医療機関の記録を継続的にモニターすることでPDが評価されました。平均9.7年のフォローアップ後、72例にPD発生が認められました。

 研究の結果、ビタミンB6の食事摂取量の高さがPDリスクの有意な低下と相関していました(標準偏差ごとのハザード率0.69(95%信頼区間 0.50‐0.96)、上位1/3対下位1/3 0.46(0.22-0.96))。層別解析の結果、この相関は喫煙者に限定されていました。葉酸とビタミンB12の食事摂取にはPDリスクとの関連は認められませんでした。

 この研究結果から、ビタミンB6はホモシステイン代謝とは無関係の機序を介してパーキンソン病リスクを低減しうると考えられました。

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 ビタミンB6はイワシやサバ、サンマ、バナナ、クルミ、ごま、アボガドなどに多く含まれています。





 ・・・んー、パーキンソン病についてまとめるか!

 まずパーキンソン病の主症状。これは4大症候と呼ばれるものです。

1.安静時振戦:安静時に震えます。随意運動で現弱します。
2.筋固縮(筋強剛):患者の腕や脚を動かそうとすると、抵抗を感じます
3.無動:動作自体がゆっくりとなります。開始にも時間がかかります。
4.姿勢反射障害:体勢を立て直せません。

 70%ぐらいが1の症状を呈します。また、よくパーキンソン病の症状として挙げられるのは4でしょう。前かがみになった状態から立て直すことができず、前へ突進するように小刻みに進んでいく「突進現象」や「小刻み歩行」が知られています。

 パーキンソン病は、これら4大症候を主症状とした、原因不明の進行性変性疾患です。何故だかわかりませんが、黒質緻密部の神経細胞が変性脱落、そして残存細胞にLewy小体と呼ばれるモノが出現することにより、黒質と線条体のドーパミン含有量が著しく減少することで、症状が起こります

 日本においては10万人に110人。白人に多くアフリカ黒人に少ないのは、メラニンが関係しているためでしょう。発症年齢は50〜60歳が最多です。

 治療法としては、ドーパミンが不足しているので、ドーパミンを補充するためにL-ドーパを、受容体を刺激してやるためにドパミン受容体刺激薬を、ドーパミンの分解を抑制(つまりドーパミンが残り続ける)してやるためにMAO-B阻害薬を投与してやります。

参考:難病情報センター
関連:
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posted by さじ at 23:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 脳神
この記事へのコメント
初めまして、ドクターマーケットといいます。
TBありがとうございました。
凄いブログですね、ためになります。
これからも、勉強させてください。
宜しくお願いします。
Posted by ドクターマーケット at 2006年08月26日 07:18
初めましてー。
わざわざコメントしていただき、ありがとうございます。
こちらこそドクターマーケットさんのブログで良質な知識を得させていただきました。ネットを通じて知識を吸収でき、大変満足しております。重ねて、宜しくお願いします。
Posted by さじ at 2006年08月26日 22:31
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