中国・北京の飲食店で、生焼けのカタツムリを食べたことが原因と見られる髄膜炎の患者が70人に達し、うち16人が重症で、入院していることが明らかになった。中国国営・新華社通信などが22日、伝えた。
北京の保健当局は、北京市内の飲食店から採取したアマゾン原産のカタツムリから、寄生虫「広東住血線虫(カントンジュウケツセンチュウ)」を検出。髄膜炎の原因は、この寄生虫と見られている。
保健当局は北京市内の飲食店2000店を調査。寄生虫に感染したカタツムリの仕入れルートや、感染経路などを調べている。
症状は激しい頭痛や吐き気など。潜伏期間は1カ月以上あるため、すぐには症状が現れないことから、当局では今後も感染者が増える恐れがあるとしている。
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広東住血線虫だァー!
相当昔に、「特命リサーチ200X」という番組で特集されていたのを思い出しました。日本では馴染みの薄い広東住血線虫ですが、日本でもおなじみのかたつむりに寄生しているんです。勿論、日本にも生息しています。感染は稀ですけどね。
広東住血線虫はドブネズミやクマネズミなどの肺動脈内に寄生する、体長22〜23mmの線虫です。そこで生まれた卵から幼虫になり、糞によって外に出されます。その糞をカタツムリが食べることで、カタツムリに感染するわけです。カタツムリの体内で成長した後で、ネズミがそれを食べることで、成虫となった広東住血線虫はネズミからネズミへ渡ることができるのです。
ところが。中間宿主であるカタツムリを人間が食べてしまう場合があります。いや、食べずとも、カタツムリに触った手を口に入れるなどして、感染する可能性もあるのです(カタツムリの這った野菜を食べただけで感染するケースもあります)
不運にも幼虫が口から入った場合、胃壁を破り脊髄へ侵入、髄液を通って脳へ向かいます。そして脳組織内に潜り込むため、激しい頭痛や手足の痺れを引き起こし、昏睡に陥ったりします。今回のように、髄膜に異物が侵入したことによって免疫システムが働いた結果、好酸球性髄膜脳炎となって死亡することもあります。
触ったら、手を洗おう。
参考:広東住血線虫について