ハム、ソーセージなどから人間に感染し、重い食中毒を起こすこともある細菌をウイルスで殺す――米のバイオ企業が開発したそんな手法を米食品医薬品局(FDA)が認可する見通しになった。AP通信が報じた。FDAがウイルスを「食品添加物」として認可するのは初めてという。
ウイルスは人間に感染して病気を起こすものもあるが、細菌にしか感染しない種類もいる。これらは「バクテリオファージ」と呼ばれており、抗生物質に代わる殺菌手段に使えるかどうかが研究されてきた。
米メリーランド州に本拠を置くイントラリティクス社は、重い食中毒を起こすリステリア菌にこのアイデアを応用。特にこの菌に汚染されやすい加工食肉にスプレーすると殺菌効果があるウイルス混合物の製品を開発し、食品添加物としてFDAに認可申請した。
この申請を近く認める見通しのFDAは「バクテリオファージは人間の消化管からも見つかり、危険はない。この製品も人や植物に無害」としている。
リステリア菌感染による食中毒は、免疫機能が弱った妊婦や新生児には特に危険で、AP通信によると、米国で年間約2500人が重症になり、うち500人が死亡している。日本の国立感染症研究所によると、国内での集団感染の報告例はまだない。
イントラリティクス社は、大腸菌を殺すウイルス製品も開発中という。
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菌を殺す、人には無害なウイルス。これは凄い。変異しないのであれば画期的ですね。新しい保存方法になるかもしれません。
ちなみに
リステリア症では、発熱・筋肉痛、ときには吐き気や下痢といった胃腸炎症状を引き起こすこともあります。これらの症状だけのこともありますが,さらに,神経系統まで感染が広がると、頭痛、首が硬くなる、昏迷、ふらつき、痙攣等が起こることがあります。リステリア症では、髄膜炎・敗血症を起こすことがあります。
参考:リステリア菌