2011年09月05日

抗がん剤開発のためフェーズ1センターを創立する

【医療】抗がん剤開発促進へ「フェーズ1センター」を創立へ  国立がん研究センター

 国立がん研究センター(嘉山孝正理事長)は8月31日、日本発の抗がん剤の開発を 目指し、早期臨床試験の拠点「フェーズ1センター」を整備すると発表した。 新薬を世界で初めて人に投与する「ファースト・イン・ヒューマン試験(FIH試験)」 を含め、世界でもトップレベルのフェーズ1試験が実施できる体制を整え、 ドラッグ・ラグを解消する。

 フェーズ1センターには、診療科横断の「フェーズ1チーム」を新設。 専任の医師や治験コーディネーター(CRC)、担当の看護師らを雇用する。また、 フェーズ1試験の実施に伴って必要な前臨床試験や橋渡し研究(トランスレーシ ョナルリサーチ、TR)の体制も強化するため、支援研究員を確保。FIH試験後に 行われる未承認薬の医師主導治験(POC試験など)についても、データマネジャーなどの人材を増強する。 現時点で、前臨床段階を含めて5つの医師主導治験を計画しており、ほかにも FIHの企業治験を行う予定。国立がん研究センターで行っているFIH試験は現在、 年2件ほどだが、5年間で10件程度に増やしたいとしている。

 FIH試験をはじめとするフェーズ1試験については、国内の実施体制が整っておらず、 日本の製薬企業には不利な状況で、国内での治験着手の遅れは、ドラッグ・ラグの 主因にもなっている。抗がん剤分野でFIH試験が可能な施設は、欧米を中心とする 約20施設で、フェーズ1センターをアジアの中心施設として位置付けたい考えだ。

 厚生労働省の「早期・探索的臨床試験拠点整備事業」として今年度から5年間、 フェーズ1センター整備に年間5億円、治験実施に年間1億5000万円の助成を受ける。

 嘉山理事長は、「センター整備の一番の意義は、ドラッグ・ラグの解消。 これまでは製薬企業が治験に参入する条件が悪すぎたが、センターが整備されれば、 どんどん参入できるようになるだろう」と強調。フェーズ1センター長に就く大津 敦・国立がん研究センター東病院臨床開発センター長は、「国内に限らず、海外の 企業にも『このセンターでFIH試験をやりたい』と思わせるような体制を整えたい。 フェーズ1の主導権を取れば、フェーズ2、3の試験も日本がリードでき、最先端の 薬に対する日本の患者さんのアクセスが良くなる」と期待を込めた。



 とうとう日本も本腰を入れて新薬の臨床応用に臨む構えですね。

 今まではどうしても(薬の開発上)他国におされてましたが、臨床試験さえきちんと行うことができれば、日本の優秀な製薬会社が何とかしてくれるはず。


広告
posted by さじ at 00:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック