2006年08月16日

新しい傷の治し方、ラップ療法について学び実践しよう

「消毒して乾かす」手当てはもう古い!傷は潤い保って治す

 海や山などで遊ぶ機会の多いこの時期、すり傷や切り傷、ちょっとしたやけどといった小さな傷もできやすい。これまで小さな傷の手当は「消毒して乾かす」ことが常識だった。だが最近、提唱されているのが「モイストヒーリング(湿潤療法)」という方法だ。水洗いだけで消毒せず、傷口を乾かさないようにする手当法で、こちらの方が傷跡も少なく、治りも早いという。今までの常識を覆すこの「モイストヒーリング」で、小さな傷は、早く、きれいに治そう。

 NPO法人創傷治療センター理事長で、北里大学名誉教授の塩谷信幸さんは、「傷を治すのは患者自身が持つ自然治癒力。その力を利用するのが『モイストヒーリング(湿潤療法)』。消毒はせず、水洗いだけ、傷口は乾かさないようにする。この方が治りも早く、痛みも和らぎ、傷跡も残りにくい」と話す。

 「モイストヒーリング」で活用するのは、傷口からにじみ出てくる滲出液(体液)だ。滲出液とは、これまでは乾かした方がよいと考えられていたジュクジュクとした液のこと。この液には、細胞の成長や再生を促すサイトカインや細胞成長因子などの成分が含まれ、これが傷を治す働きをしてくれるのだ。

 この場合、注意しなければいけないのは、なるべくかさぶたを作らないこと。一般的にすり傷や切り傷では血小板の作用で出血が止まり、その後、傷口から出る滲出液が乾き、かさぶたになる。実は、滲出液が力を発揮するのは、傷が湿潤状態にあるとき。滲出液が固まり、かさぶたになると働かなくなる。

 しかも、「かさぶたの下に残された滲出液だけしか傷の治療に使えないため、十分に働けない。人間が持つ自然治癒力がきちんと発揮されないんです」(同教授)。

 滲出液を生かすには、「傷口は水で洗い流す。消毒薬は不要です」(同教授)。消毒薬によっては、細菌だけでなく、新しく生まれた細胞を殺すこともあるからだ。

 あとは、清潔なタオルやガーゼで傷口を押さえて止血した後、傷口が乾かないように救急ばんそうこうなどで保護する。この場合、ガーゼで長時間傷を覆うのは避けること。ガーゼは空気をよく通すため、「傷口が乾きやすく、ガーゼの繊維が傷の中に入り、はがすときに再生した表皮をはぎとってしまうこともあります」(同教授)。

 最近は、外科手術などでも使用する、傷口の潤いが保てる医療用の被覆材が使われた救急ばんそうこう(別項)なども市販され、こうしたものを使えば、傷の回復はこれまでの約3分の1まで短縮するという。さらに、「『モイストヒーリング』は、傷の修復のための最適な環境が作れるので、神経末端からの危険信号である痛みも和らぎます」と同教授。

 これからは、小さな傷は潤いを保つ治療法で、早く、きれいに治そう。

★最適の救急ばんそうこう

 モイストヒーリングに最適なのが、医療の現場などで使用されているハイドロコロイド素材を使った創傷被覆材。ジョンソン・エンド・ジョンソン(東京都千代田区)から、「『バンドエイド』キズパワーパッド」として市販されている。傷口を密閉するとともに、浸出液を傷口に保って湿潤環境を整備。炎症の原因となる異物の進入を防ぎ、乾燥による神経への刺激を抑えるため、傷の痛みもやわらぐ。傷が治るための最適な環境を長く保つためには、できるだけ貼ったままにしておくことが大切で、最大5日間まで貼りっぱなしでいいという。

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 モイストヒーリングは別名「ラップ療法」「うるおい療法」などと呼ばれています。昔はキズドライなどの、乾燥させてナンボであるという考え方が主流でした。しかし最近の研究で、傷はできるだけ湿潤させたほうがよく、更に消毒もしてはいけないという考え方に変わりつつあります。

 細かい説明は記事中で語られているので省きますが、ジョンソンエンドジョンソン社製の『バンドエイド』キズパワーパッド、私も愛用しております。普通のバンドエイドよりも高いんですが、しっかり傷を覆ってくれるため痛みもなく、更に治りも早いです。貼っておくだけで自然に治るイメージです。

 ご家庭でラップ療法を行う場合は下記サイトを参照して下さい。非常にわかりやすく、医学的に書かれているので初心者でも安心です。

参考:新しい創傷治療
   正しいケガ(傷)の治し方 〜消毒をしない閉鎖湿潤ラップ療法〜
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posted by さじ at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 感染
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