生体肝移植手術の際、投薬ミスで肝臓提供者に重い後遺症が残ったことが先月明らかになった群馬大病院で、重度の肝臓病などを抱えて生体肝移植を受けた「高リスク患者」9人のうち7人が術後間もなく死亡していたことがわかった。
全国の生体肝移植患者の死亡率24%(5年以内)に比べ極めて高い数字で、背景には「危険を承知で患者や家族が希望すれば、断るのは難しい」(同病院)という実情があり、高リスク患者に対する手術の是非を巡って論議が起きそうだ。
同病院によると、2004年1月から今年6月までに15例の生体肝移植を実施。患者9人が術前に高リスクと判断され、うち7人が術後に感染症などに見舞われ、退院できずに死亡した。
高リスクの患者は、手術の切迫度が高いが、そのリスクを判定する統一基準は国内にはない。同大第一外科の場合は、米国の臓器あっせん機関の点数加算方式を採用しているが、がんの転移などを除いて、点数がどんなに高くても手術をしているのが現状だ。
生体肝移植を1000例以上行ってきた京都大病院では、群大と同レベルの高リスク患者でも死亡率(90日以内)は45例中12例と低い。江川裕人・京大助教授は「高リスク患者の手術が社会に認められるには、5割以上の生存率を目指す努力が必要だ。なぜ死亡率が高かったのか、原因究明が大事だ」と話している。
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医学処 生体肝移植にて、ヘパリン投与量を誤りドナー側が下半身不随に。
群馬大学病院は、どうも逃げ腰というか、さも「リスクがあることを承知の上で手術するから死んだんだ」と言わんばかりの論調ですね。命を追う医者としてどうなのか。
実際、京大病院では普通なのですから、これはもはや患者のリスクの問題ではなくて手技、その他の管理に問題があると言わざるを得ません。
リスクが高くても可能性があるなら、患者とその家族は「命の助かる道」をとるでしょう。そこは誤りではない。断る必要もない、そこにはない。ですが腕に自信がないのならはっきりとそう言わねばならない。京大病院に送れば助かったかもしれない命なのだから。