埼玉医科大学は重度の糖尿病患者などの皮膚にできる潰瘍の新しい治療法を開発した。患者から骨髄液を採取し、この液に浸したコラーゲン製人工皮膚を患部に張り付ける。臨床研究では9割以上で回復し、足の切断を免れた。厚生労働省の先進医療に申請済みで、難治性潰瘍の簡単な再生医療として普及を目指す。
糖尿病や足の動脈硬化(閉そく性動脈硬化症)、床ずれなどが原因で足や腰などにできる重い潰瘍を放っておくと、皮膚や筋肉組織が壊死する。現在、国内に糖尿病患者は740万人いるが、1.4%が皮膚の潰瘍を経験し、そのうち2割が足や指を切断しなければならない。
埼玉医大の市岡滋・助教授らが開発した新治療法は、まず患者の腰のあたりから骨髄液を採取して、やけどの治療などに使うコラーゲンからできた人工皮膚に浸す。壊死した部分を取り除いた潰瘍に人工皮膚を張り付けると、骨髄の成分が血管や皮膚の再生を促し、3―4カ月で治る。
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お、これはアグレッシブな治療法。
糖尿病における皮膚の潰瘍や壊死は避けては通れません。かなりの人が指を、そして酷くなると脚を取らなければならなくなります。そこに真っ向から立ち向かった埼玉医科大学に拍手。
今までは「ウジ虫」を用いた糖尿病性潰瘍の治療が取り上げられました。うじ虫は壊死した組織しか食べないのでとても都合が良かったのです。今回の治療法は「再生を著しく促進」するようで、かなり期待が持てる技術となるでしょう。骨髄液を採取するまでが侵襲的ですが、それでも治るのなら。
参考:ウジ虫を這わせて傷口を治す 健康プラスα