2006年08月08日

高周波エネルギーで肺癌(非小細胞癌)を治す

肺癌の熱焼灼療法に高い延命効果

 高周波エネルギーにより腫瘍を焼いて癌細胞を死滅させる熱焼灼療法(thermal ablation)と呼ばれる非外科的治療によって、末期肺癌患者に数年の延命が認められることが、米ロードアイランド病院の研究で明らかにされた。

 この研究は、推定余命1年未満で、手術に適さないstage(病期)I〜IIの非小細胞肺癌(NSCLC)患者41例を対象に実施された。このうち27例が熱焼灼療法の後に外部放射線療法を受け、残る14例は熱焼灼療法の後に腔内照射療法を受けた。熱焼灼療法の高周波エネルギーとして、ラジオ波とマイクロ波が用いられた。

 41例中、98%が6カ月生存し、87%が1年、70%以上が2年、57%以上が3年生存した。全体の平均生存期間は42.2カ月であった。腫瘍の大きさが3cm未満であった17例で最も良好な転帰が認められ、平均生存期間は44.4カ月であった。

 研究を行なったDamian Dupuy博士によると、非小細胞肺癌と診断された患者のうち手術に適するのはわずか3分の1で、これ以外の患者は余命12カ月未満という現実に直面することになる。この新しい治療法は効果が高いばかりでなく、これまでほかに選択肢のなかった患者の治療を可能にするもの。画像技術を駆使して目標を定めた熱焼灼療法により肺癌を焼いて破壊し、患者の余命を延ばすことができるとDupuy氏は述べている。(※編集注=熱焼灼療法は肝癌治療にはすでに用いられている)

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 非小細胞癌ならでは治療法でしょう(小細胞癌は進行が早いのでこのような局所的治療は難しい)。手術に適さないstageI〜IIということで、まあ末期には違いないのでしょうが、転移などのない局所的なものに限定されるようです。

 ちなみに肺癌のStage分類は案外楽で、イメージしやすいものになっています。Stage分類はTNM分類によって定義されており、各々の意味については下記に載せておきます。

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stage IA期…「T1 N0 M0」
stage IB期…「T2 N0 M0」
stage IIA期…「T1 N1 M0」
stage IIB期…「T2 N1 M0」もしくは「T3 N0 M0」
stage IIIA期…「T1 N2 M0」もしくは「T2 N2 M0」もしくは「T3 N1&2 M0」
stage IIIB期…「どのTでもよく N3 M0」もしくは「T4 どのNでもよく M0」
stage IV期…「M1があるもの」

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T1: 腫瘍の主径は3.0cm以下の大きさで、健常肺組織または胸膜に囲まれているもの。気管支鏡的にがん浸潤が葉気管支より中枢側におよばないもの。
T2: 腫瘍の大きさまたは進展度が以下のもの。
−腫瘍の主径が3cm以上のもの。
−主気管支に浸潤がおよぶが、腫瘍の中枢側が気管分岐部より2.0cm以上離れているもの。
−臓側胸膜に浸潤のあるもの。
−肺門におよぶ無気肺、あるいは閉塞性肺炎があるが片肺全野におよばないもの。
T3: 大きさと無関係に隣接臓器、例えば胸壁(superior sulcus tumorを含む)、横隔膜、縦隔胸膜、壁側心膜などに直接浸潤する腫瘍。
または、腫瘍の中枢側が気管分岐部より2.0cm以内におよぶ(a)が、気管分岐部に浸潤のないもの。
または、無気肺・閉塞性肺炎が片肺全野におよぶもの。
T4: 大きさと無関係に縦隔、心臓、大血管、気管、食道、椎体、気管分岐部に浸潤のおよぶ腫瘍。同一肺葉内に存在する腫瘍結節。または悪性胸水を伴う腫瘍

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N0: 所属リンパ節に転移がない
N1: 原発腫瘍の直接浸潤を含み、同側気管支周囲および/または同側肺門リンパ節の転移
N2: 同側縦隔リンパ節転移および/または気管分岐部リンパ節転移
N3: 対側縦隔、対側肺門、同側または対側斜角筋前、または同側または対側鎖骨上リンパ節転移

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M0: 遠隔転移がない
M1: 遠隔転移がある  

参考:非小細胞癌関連:医学処 女性の喫煙者は、男性の喫煙者よりも肺癌になりやすい。
   


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posted by さじ at 00:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | がん
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