腹部大動脈瘤に対して、血管の内側から治療する筒状の器具、ステントが初めて承認され、先月、慈恵医大で治療が行われた。
腹部大動脈瘤は動脈硬化に伴って発生し、直径が4〜5センチを超えると、命にかかわる破裂の危険が高まる。このため大きい場合は、開腹して人工血管を埋め込む手術が行われてきた。国内では年間約1万1000件を数える。
しかし、高齢の患者が多く、全身麻酔で行われる手術は、心臓病や肺気腫など別の病気を持っていると、危険が高い。そのため、欧米では腹部動脈瘤は約10年前から、開腹手術ではなく、ステント治療が広がり、現在、米国では半数を占めている。
足の付け根の動脈から、人工血管の代わりに、金属の網が埋め込まれたポリエステルの筒を挿入して、腹部大動脈に留置する。局所麻酔でも行われる。
先月、日本でも腹部大動脈瘤治療用のステントが承認され、アメリカで経験を積んできた同大血管外科の大木隆生教授が60歳代の男性患者に実施。2日後に退院した。
ステント治療は、東京医大、奈良県立医大、三重大、山口県立総合医療センターでも始まる。
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今までは瘤の部分を切り取って人工血管を代用する手法が主流でしたが、ステントによる治療法が広まっているというNEWS。
ステントというと冠動脈が狭窄した時に血管を広げるために用いられるイメージが強いのですが、なんと腹部大動脈にも使用可能らしい。そもそも瘤を取り除く手術は結構危険が伴ってましたからね。ステントで治るならば万々歳ではないでしょうか。