乳ガンの検査法として、従来の方法よりも安全で正確という新たな血液検査が考案され、ガンの早期発見・治療に大きく貢献すると共に、乳ガンだけでなく、卵巣ガンや前立腺ガンの検診にも役立つようになると期待されていることが伝えられた。
乳ガンは最もよく知られた女性のガンで、世界規模では毎年110万人が新たに発症、死亡者数も年間最高40万人に達していると報告され、英国内でも年間4万人以上が乳ガンと診断され、1万2,400人以上が亡くなっているという。
従来の乳ガン検診法は、マモグラフィー(乳房X線撮影検査)や超音波検査、生体採取などの組み合わせによるものだが、検査のためにX線を浴びることで、家族に乳ガン患者がいる場合の女性ではかえってガンを誘発する確率が50%以上も高くなるほか、繰り返しX線を浴びることになる若い女性では、将来ガンを発症する可能性を高めることになるという弊害が指摘されていた。
しかし、今回開発された検査では、採取された血液から、血中のタンパク質の微妙な変化を察知。このタンパク質の変化は、免疫機能が体内のガン細胞と戦っている証拠とされ、同検査ではさらにこのガン細胞が悪性か良性かを判断することもでき、その後の効果的な治療法を選択するのにも役立つという。
科学研究専門誌「the Journal of Proteome Research」に掲載されたところによると、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのジャスミンカ・ゴドヴァック・ジマーマン教授がアメリカの大学や企業と提携して行った研究では、この血液検査が従来の乳ガン検査よりもはるかに精度が高く、被験者にも安心で、コストもそれほどかからないことが証明されたという。
ただ、、ガン患者の支援団体「Cancer Research UK」ではこの血液検査に関して、本格的導入の前にはさらなる試験結果をみる必要があるとしている。
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血液をみるだけで分かってしまうとは。簡単な方法なら毎年行えますから、乳がんによる死亡者も劇的に減るでしょう。勿論、早期発見さえできればおっぱいを取ることも少なくなるでしょうし。
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