ぺろりとなめるだけで疲れの程度がわかる。そんな簡単な疲労検査が数年で実現しそうだ。残業時間に比例して、体内にすみ着いているウイルスが唾液中に増えることを慈恵医大の近藤一博教授(ウイルス学)らが突き止め、22日、大阪市であった日本疲労学会で発表した。ウイルス量が疲労度の目安になるので、なめるだけでだれでも簡単に疲労を測れる方法の開発につながり、過労死を防ぐ有力な手がかりになるという。
このウイルスはヘルペスウイルスの一種のHHV6とHHV7という。乳幼児の病気である突発性発疹の原因ウイルス。ほとんどすべての日本人が幼い頃から体内に持っていて、成人なら病気を起こすことはない。
近藤教授らは、残業がない定時の仕事をしている事務職の20人と、1日5時間以上残業している研究職や営業職の40人の唾液で、これらのウイルス量を測った。
その結果、残業のない人では、唾液1ミリリットル中のHHV6が平均500個、HHV7は平均5千個だった。これに対し、残業が多い人では、どちらも10倍以上検出され、残業時間が多い人ほど多かった。当直を繰り返している外科医ら、不規則な生活リズムで厳しい長時間労働をしている人は、1週間休んでもウイルスは減らなかった。
04年の文部科学省研究班の調査で、疲れが半年以上続いている勤労者は約3千万人に上り、うち240万人は疲れのため休・退職に追い込まれている。近藤教授は「リトマス試験紙のような、なめるだけで疲労のたまり具合が分かる簡易キットを2、3年のうちに開発できると思う」と話す。
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残業しただけで免疫システムは衰えるんですねぇ。特に医師などのハードワーカーにとっては深刻でしょう。免疫システムが常に低下している状態で、患者さんと接するようなものですからね。
1週間の授業時間や会議時間やクラブ活動の時間など勤務の中味を考えて疲労量を出すにはどうするかという問題に突き当たっていましたが、ウイルス量を測定する方法には目からウロコが取れたように思えます。
どうか、早く市販されるように祈っています。