傷が治るのに、体を流れる微弱な電流が重要な役割を果たしていて、特定の遺伝子が関与していることが分かった。これを利用して傷を早く治す方法ができるかもしれない。英国アバディーン大や日本の秋田大などのグループが、27日付の英科学誌ネイチャーで発表した。
傷口に微弱な電流が流れていることは以前から分かっていたが、働きはよく分からなかった。
アバディーン大医科学部のチャオ教授らは、ヒトの皮膚細胞やネズミの角膜などを使って実験をした。傷をつけると、傷口のところに微弱な電流が流れ始め、数十分の間に徐々に強まった。
次に、人工的に電流を流して傷口を修復する細胞の動きを見た。電流の方向を逆転させると、傷口をふさぐように動いていた細胞が逆転して、傷口が広がった。
遺伝子を操作した細胞を使って調べると、ある遺伝子が働かないと修復する細胞の動きが鈍り、別の遺伝子が働かないと動きが良くなった。
チャオ教授は「私たちの発見は、傷の治癒を早める新しい方法を提案している」としている。
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傷、つまり細胞の破壊が起こると電流が流れ、その電流の方向を逆にすると傷口が広がる。ということは流れている電流は細胞を修復する能力がある…?と一概に言ってしまって良いのかどうかは定かではありません。電流を人工的に流すことで細胞間の物質のやりとりを促進させ、修復スピードを上げることができるようになるのでしょうか。