抗てんかん薬ラミクタールが国内で初めて「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」の適応で承認を取得したことについて、東京女子医科大医学部の石郷岡純主任教授(精神医学講座)は「躁とうつの波を減らし、安定した期間を延ばすもので、恒常性を保つ機能がよくならない双極性障害で、本質を突いた治療効果が期待できる」との見方を示した。販売元のグラクソ・スミスクライン(GSK)が7月6日に開いたメディアセミナーで講演した。
双極性障害は、気分が異常かつ持続的に高揚する躁状態とうつ状態といった気分エピソードが繰り返し現れる気分障害。GSKによると、再発率が高く、寛解から1年間で48-60%、5年間で81-91%と報告されている。薬物治療では、気分エピソードの改善や再発予防が重要となるが、これまで再発・再燃抑制の適応を持つ薬剤はなく、治療選択肢が少ない問題があったという。
石郷岡主任教授は、ラミクタールが適応追加承認を取得したことについて、「海外から数年遅れての登場だが、精神科医にとってはインパクトが大きい。治療法に悩まされる双極性障害のうつ状態の予防が期待できる意味でも、欲しい薬が出たといえる」と述べた。
これは期待。
臨床適応になったことで、再発をうまく抑制させることができるかも。