京都府立医科大学のチームは、直腸が途中で途切れる「鎖肛」と呼ぶ先天異常の治療法である、新生児期に残りの直腸と肛門をつなぐ手術を実施する前に、直腸の筋肉の位置を確認することが、成長後の患者の生活の質(QOL)を維持するうえで重要とする調査結果をまとめた。成人患者の排便や出産に関する追跡調査は珍しく、これから治療を受ける人の不安軽減につなげたいという。
鎖肛は二千〜三千人に一人の割合で見られる先天異常で、新生児の腹部の手術では一番症例数が多い。手術で途切れた直腸と閉鎖した肛門をつなげる。
岩井教授らは、手術前に直腸に電気刺激を加えて筋肉の位置を確認する方法を開発。この手法で新生児期に治療を受けた二十〜四十代の患者二十九人の成長後の排便機能など社会生活への影響をアンケートなどで調べた。
もともとの症状が比較的重かった患者など七人で、軽症から中程度の排便障害がみられたが、社会生活に支障がないなど、社会生活に大きな不便を感じている人はいなかった。女性の出産への影響などもなかったという。
岩井教授らは半数の患者が社会生活で不自由を感じているのではないかと予測していたが、「今治療を受けている子どもに明るい展望を示せたのではないか」と話している。
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あー、こういう、患者のQOLを追求していく姿勢は非常に良いですね。京都府立医科大学の岩井教授、頑張って下さい。