2006年07月23日

煙草値上げにつき、禁煙サポート軍団が勢力を上げる

ガム、ネットで、会社挙げ…禁煙サポート拡大

 今月1日のたばこの値上がりを機に「たばこをやめよう」と禁煙を始めた人が増えているようだ。薬局などでは禁煙用商品の売れ行きが好調で、禁煙達成に向けたサービスや医学的指導も広がりつつある。

 ■新たな依存

 東京・神田にある「かねまん薬局神田南口店」では6月以降、禁煙関連商品の売り上げがそれ以前より2割アップした。同店には禁煙用商品が数種類置かれているが、ダントツの売れ筋はニコチンが不足してイライラしたときに噛む禁煙ガム「ニコレット」(24個入り2205円)。同店では「テレビCMによる知名度に加え、ガムの形で服用できる手軽さが受けているのでは」という。

 ほかにも、薬草「杜仲葉」をたばこ状に巻き、口ざみしいときに吸う清栄薬品の「禁煙草」(5本入り500円)▽松葉や松ヤニ成分が配合され、口に含んだ直後にたばこを吸うと、たばこがまずく感じるケイセイの「嫌煙飴」(15粒入り680円)−などが人気で、それぞれ売り上げも伸びている。

 このような禁煙商品の種類や人気の広がりに店長の榎本孝さんは、「“中毒”にならないように注意してほしい」と呼びかける。例えばニコレットは1日の限度が24個で、禁煙生活に慣れたら、1週間ごとに1日の使用を1、2個ずつ減らし、3カ月をめどにやめなければならない。だが中には用量を守れず、手放せなくなる人も。「『たばこ依存』が『禁煙商品依存』に変わってしまうのです。大切なのは、依存しない意志の強さ」と榎本さんは話す。

 ■女性向け助言

 インターネットで手軽に利用できる“禁煙指南”サービスもある。東京農工大学保健管理センターの阿部真弓助教授(公衆衛生学)は今月7日、増えつつある女性喫煙者向けに「女の子のための禁煙クリニック」という無料プログラムを作成した。

 ホームページにアクセスし、年齢や身長、体重、喫煙歴、メールアドレスなどのデータを入力すると、例えば、1週目はニコチン依存の仕組み、2週目以降は禁煙を長続きさせる食事や運動など、段階に応じた最適な“教材”を毎週メールで受け取れる。

 阿部助教授は「女性の喫煙のきっかけは、人間関係のトラブルなどが多いので根が深くやめさせにくい。1年間(という長期間をかけ)丁寧にサポートしていきたい」としている。

 ■会社を挙げて

 1人での禁煙達成に自信がない人には、東京衛生病院(東京都杉並区)の「禁煙講座」(1万500円)が好評だ。昭和40年代から実施され、効果は実証ずみ。医師とカウンセラーが5日間集中して指導する。通院しなければならないため、参加者は毎回15人程度だが、「禁煙の流れが加速しているのを受け、問い合わせが急増している」(同病院)という。特に最近増えているのが女性。「以前はほとんどが男性だったが、最近は半数が女性」という。

 また、会社が社員の禁煙達成を後押ししようという動きも。事務用機械メーカー「リコーエレメックス」(名古屋市)は、会社ぐるみの禁煙をサポートするイントラネット(企業内ネットワーク)システムを開発、9月までに商品化する。

 社員は専用カードを作成し、喫煙室の入退室時にカードリーダーにかざす。すると、入退室時刻が記録され、喫煙室にいた時間をもとに何本吸ったかを推測。このデータを蓄積し、「病気にかかる可能性が非喫煙者に比べ○倍に」といった情報を毎月、社員個人のサイトで更新する。担当者は「たばこの悪影響を実感し、禁煙意欲を高めてほしい」と話している。
                   
 ■喫煙率 男性はダウン 女性はアップ

 たばこ依存を生み出すのは、煙に含まれるニコチンだ。喫煙時、高濃度のニコチンを含んだ血液はわずか数秒で大脳中枢に達し、快感をもたらす。この快感を求めてたばこを吸い続けると、脳が変化し、喫煙していないと、イライラしたり気分が落ち込んだりする「依存症」につながる。

 問題は、ニコチン以外にも200種類以上の有害成分がタバコに含まれていること。肺がんなど呼吸器系の疾患のほか、狭心症、心筋梗塞といった循環器系の病気のリスクが高まると指摘されている。

 なお、日本たばこ産業(JT)によると、日本の成人男性の喫煙率は年々減少。平成17年6月の調査では45・8%で、前年比1・1ポイント減となった。一方、女性の喫煙率は、16年から17年にかけ増加(13・2%→13・8%)。とくに20、40、50代の伸びが顕著だった。

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 まあ…確かに禁煙グッズ依存症になってしまうのはわからんでもないですね。元々依存症になりやすいタイプの人だったんでしょうし。ニコチンパッチが保険適用になったことですし、いい機会なので利用してみては?

関連:ニコチンを含まない新しい「飲む禁煙薬」、販売か。
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posted by さじ at 12:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 呼吸
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