富士フイルムは16日、脳卒中の治療を多機能携帯電話(スマートフォン)で補助する医療機関向けの支援システムを発売した。救急搬送された患者の検査画像などを、複数の専門医のスマートフォンに一斉送信できる。その場にいない医師とも連携し、より適切な診断と治療ができるようにする狙いだ。
脳卒中は発症後、いかに素早く適切に処置できるかが、生死や回復度合いを大きく左右する。今回のシステムでは、患者の搬送時に専門医が不在でも、当直医が検査画像や手術の様子をスマートフォンに送信し、助言を求めることができる。
脳卒中患者をiPhoneで遠隔画像診断
脳卒中で倒れた救急患者の脳の検査画像をiPhone(アイフォーン)で専門医が見て病院外から指示を出すのに役立つ遠隔医療システム「i―Stroke」を富士フイルムが開発し、16日から発売した。
東京慈恵医大脳神経外科の村山雄一教授のグループとの共同研究。専用のサーバーを病院の検査画像を保存しているコンピューターに接続、匿名のCT(コンピューター断層撮影法)やMRI(磁気共鳴画像)の画像をiPhoneに送信する。専門医は、診療時間外でも、病院外から立体化された画像を見て、当直医に治療法を指示できる。勤務医の過重労働の軽減に一役買うと期待される。
1施設で導入する場合は約1000万円。同システムを使い、地域の数施設で連携する場合は5000万円程度。同社では、5年で約3200の救急病院の2〜3割に普及させたいとしている。
今年の日本放射線科学会(震災の影響で中止→・・・と思いきやまさかの「完全ネット講演を実施」)でも似たようなのをやってましたね。
確かにこれがあれば、専門の放射線科医がいなくても、常勤でいる放射線科医に画像を送って「脳梗塞か否か」を評価してもらうことができます。すると脳梗塞に対して迅速な対応を行うこともできるようになる、と。まさに近代的システム。
ただ問題は、画像の濃淡を変えられなかったりするみたいですので、微妙なものは微妙なままの画像で送られてしまうというところでしょうか。でも無いよりマシですしいずれそこも改善するのでしょうけれども。