香川大医学部の中村祐教授(精神神経医学講座)は6月14日、今夏にも発売が見込まれる国内初の貼るタイプのアルツハイマー型認知症治療薬イクセロンパッチ/リバスタッチパッチ(ノバルティスファーマ/小野薬品工業)について、「緩やかに血中の薬物濃度が上昇し、ほぼ一定の濃度を維持することで、理想的な治療範囲内に保つことができる」と述べた。両社が共催したメディアセミナーでの講演で語った。
このほか中村教授は、介護者へのアンケート調査結果で、経口剤に比べて貼付剤の方が「とても使いやすい」「やや使いやすい」とした回答が60.6%に上ったことを紹介。アルツハイマー型認知症が進行すると、「服薬管理能力は非常に初期から落ちやすい」などと指摘した上で、「施設などで利用者を介護する場合、人数が多い分、服薬させるだけで多くの時間を使い切ってしまい、本当のケアができないという問題がある」とした。
イクセロンパッチ/リバスタッチパッチは今年4月に、軽度から中等度のアルツハイマー型認知症の症状の進行抑制の適応で製造販売承認を取得しており、7月に薬価収載される予定。国内のアルツハイマー型認知症治療薬としては4製品目で、発売済みのエーザイのアリセプト、ヤンセンファーマのレミニール、第一三共のメマリーがいずれも経口剤なのに対し、貼付剤であることが特長だ。
服薬コンプライアンスといって、毎日しっかりと決められた薬を飲めるかどうか、というのも治療の際には重要です。
アルツハイマーなどの、自身でなかなか服薬管理ができない場合、経口で飲ませるのも一苦労。
介護者にとって「貼るだけ」で良いこの薬はまさに画期的なものでしょう。こういう薬が広くでまわるといいんですけどねぇ。