長時間の空の旅などで肺血栓を引き起こす「肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)」が、車椅子の難病患者にも発症していることが大阪医科大(大阪府高槻市)の調べで分かった。同大病院の木村文治・神経内科長は「車椅子の高齢者や障害者でも起こると考えられる。夏場には特に注意してほしい」と呼び掛けている。横浜市で13日に開かれる日本神経治療学会で発表する。
肺血栓塞栓症は、長い時間同じ姿勢をとることで足などにできた血栓が血管を流れて、肺の動脈に詰まる病気。死に至ることもある。発症したのは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)により筋力が落ち車椅子で生活していた当時61歳の男性。04年夏、呼吸困難を訴え、同病院に救急車で搬送された。胸部CT(コンピューター断層撮影)検査で、左右の肺動脈に大量の血栓が見つかった。すぐに血栓の治療を施し、無事に回復したという。
重度のALS患者では、呼吸に使う筋肉が衰えるため呼吸不全が起きることがある。この男性の場合、血中の二酸化炭素濃度が低く過換気状態で、ALSの呼吸不全とは状態が違ったため、肺血栓塞栓症を疑い検査したという。同病院ではそれまでにも、車椅子のパーキンソン病患者2人の足の静脈に血栓が発見されたことがあるという。
血栓は脱水状態になるとできやすい。木村科長は「この男性は、介護者の手間を考えてトイレに行く回数を減らそうと、水分摂取を控えめにしていた。車椅子の方にはよくある傾向だが、夏には注意が必要。発症防止には、自分で足が動かない場合、周りの人に手伝ってもらって、曲げ伸ばし運動などをしてほしい」と話している。
車椅子の場合、ひざの位置が尻より高いと太もも部分の血液の流れが悪くなるため、尻の下にクッションを置くとよいという。
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介護において、遠慮せずに言うべき箇所というものは存在します。特に人間の生理現象については恥ずかしがらずに申し出るようにしたほうがいいです(介助者がそうできる空気を作るのもアリです)
これから暑くなってきますが、暑い時は水分を摂ることが大事。しっかり水を取って血液濃度を保ち、血栓を詰まらせず乗り切りましょう。
なお上記リンク中に、車椅子の乗り方に関する参考画像がありますので見ておくと良いと思われます。