長崎大工学部(長崎市、小山純学部長)は11日、実験用のクロロホルム約350ccを今月6日夕に紛失していた、と発表した。クロロホルムは12〜15ccを飲むと死亡するとされる劇薬。紛失時は警察への届け出が義務付けられているが、同大が長崎県警に窃盗容疑で被害届を出したのは10日夕だった。紛失した薬を使ったとみられる被害などはないという。
同大の説明では、6日午後4時半ごろ、工学部1号館1階の材料工学科実験室で、実験担当の助手がクロロホルムが入ったガラス瓶に薬剤を補充、実験台の上に置いたままにしていたという。実験終了後の午後5時半ごろ、薬剤の点検をした際、瓶がないことに気づいた。
この日は学生60人が材料工学科の講義に出席、実験室には11人が出入りした。助手らは紛失後、隣の実験室にいた学生も含めて学生計15人から事情を聴き、実験室周辺で瓶を捜したが見つからなかった。外部から不審者が出入りした痕跡はなかったという。
実験を指導した古川睦久教授は8日午後、北九州市内で学会に出席中、助手から口頭で報告を受け、学科長にメールで報告。学科長は9日、小山学部長にメールを転送、確認された。同学部長は「土日を挟んでいたため対応が遅れた。重要な案件の届け出も徹底されなかった」と謝罪している。
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恐らく内部の犯行、というか、「クロロホルムだ、すっげ、眠らせられるぜ、パクっとこ」という思考に陥った、恐らく2名以上の男子の仕業であると推測されます。
が、テレビや漫画を見すぎた彼らの幻想をぶち壊すようで申し訳ないのですが、クロロホルムをかがせたってすぐに気絶するわけではありません。かつては麻酔薬として用いられたクロロホルムも、肝臓や呼吸器障害を起こすことから現在はあまり使われておりませんし、何より「即効性がある」ようなイメージがありますが、眠りに落ちるまで、成人男子なら10分以上かかります。
そしてクロロホルムは揮発性が非常に高いため、ハンカチにしみこませる程度の量では10分かかる前に気化してなくなってしまうでしょう。
仮に本気で眠らせようとガンガン気化させた場合、血圧や呼吸や心拍の低下を引き起こし、重篤な場合は死に至ることもあります。いたずらでやるにしては非常にリスキーな劇薬です。
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