2006年07月09日

ラブホルモン「オキシトシン」が夫婦の危機を救う

「愛のホルモン」で夫婦間ストレスが減少

 「love hormone(愛のホルモン)」と呼ばれるオキシトシンに、夫婦げんかを鎮める効果があるという。オキシトシンは、人間関係や他人との心理的境界を健全に保つ能力に関係があると考えられているが、緊迫した状況でのストレスを軽減させるはたらきもあることが示され、ピッツバーグで開催された国際神経内分泌学会で報告された。

 米エモリー大学(ジョージア州)精神学行動科学のBeate Ditzen氏らは、50組のカップルのうち半数にはオキシトシンの含まれる鼻腔スプレー薬を投与し、残りにプラセボ(偽薬)を投与した後、それぞれの抱える未解決の問題について模擬的に口論をさせた。唾液中のコルチゾル(ストレスの多い条件下で増大するホルモン)の濃度が測定され、カップルは自分たちの関係を評価するアンケートに回答した。

 この結果、オキシトシン群では、プラセボ群に比べコルチゾル濃度に有意な減少がみられたという。さらにオキシトシン群の夫婦は、マイナスの感情もプラスの感情も素直に表現することができた。「心理学的見地からいえば、これはまさに争いを解決しようとする行動」だとDitzen氏は述べている。

 オキシトシンは脳で産生され下垂体から分泌されるホルモンで、人を信じる能力や互いをいたわる能力に関わりがあるとされている。昨年(2005年)秋に実施された日本と米国による共同研究では、オキシトシンを与えずに育てた雌マウスが仔マウスの世話をしないことがわかっている。このホルモンが、自閉症など一部の精神障害の治療にも有用である可能性を指摘する専門家もいる。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

 下垂体後葉から分泌されるホルモン、オキシトシン。射乳反射や子宮収縮などを起こす頑張りやさんです。

参考:オキシトシン


広告
posted by さじ at 23:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック