96年以降、ネパールのヒマラヤなど海外の登山や観光で、高山病や高地障害が引き金になって病死した日本人が、少なくとも26人に上ることが、外務省診療所の山口寛所長の調査でわかった。8日、東京都内で開かれる日本渡航医学会で発表する。平均年齢は50歳前後で、山口さんは「中高年者は十分な健康危機管理を心がけてほしい」と呼びかけている。
ネパール、ペルー、タンザニアの3カ国の日本大使館が把握した邦人の事例を駐在医務官に確認して分析した。
ヒマラヤでは96〜05年、登山で9人(平均47.6歳)、より標高が低い山歩きで12人(同50.2歳)が死亡。このうち60歳以上が全体の4割近くを占め、女性は2人いた。滑落や遭難などの事故死は含んでいない。
インカ帝国の都・クスコなど標高3000メートル以上の観光地があるペルーでは03〜06年、邦人7人(同53.9歳)が重い高山病になり、45歳と69歳の女性2人が死亡。タンザニアのキリマンジャロ(5895メートル)でも03〜06年、3人が呼吸不全などで死亡した。
高山病は、2500メートル以上の高地に急に登ると、気圧や酸素濃度の低下で頭痛や食欲不振、めまい、吐き気といった症状が出る病気。重症になると脳浮腫などで死亡するときもある。
山口さんは「海外では、日本で経験できない高地になることもある。中高年者は体力に見合った計画を組んでほしい」と話す。
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ヒマラヤ救助協会が提唱している予防4か条は以下のとおりです。
1. 標高3000m以上では、眠る場所の高度を前日に比べて300m以上あげないこと。
2. 高度を1000m上げるごとに、1日休息日をとること。
3. 自分が背負う荷物を重くしすぎないこと。
4. ゆっくり歩くこと。
このように少しずつゆっくりと登ることが大事です。スケジュールどおり進もうと無理をしても意味がありません。登山とはどういうものであるのか、を熟考した上で、楽しく山を登りましょう。詳しくは下記の高山病対策をご覧下さい。
参考:高山病対策