点字と文字を一緒に印刷できる機器や、ボタンの位置を区別するシールなど、視覚障害者のための識別グッズが増えている。手軽に取り付けられるため、「だれもが暮らしやすい街にするため気軽に使って」と関係者は期待する。
東京・目白の「ホテルメッツ目白」は今年4月から、一部の客室に点字を取り入れた。車いすでも利用できるように扉を大きくし、湯船に手すりをつけた「ユニバーサルツイン」の部屋に、ルームキーや電話の受話器に部屋番号を明記したほか、トイレの温水洗浄便座、室内灯のスイッチなどに点字シールを張った。
「ホテルの基本は安心して快適に過ごせること。目の不自由な人も安心できるよう点字を取り入れた」と支配人の田中優子さん。
これらの表示は、文具メーカー「キングジム」(東京)のラベル印刷機器「テプラ」が使われている。同社によると、点字も作れる「テプラ」は昨年5月に発売され、これまでに約1万台販売した。希望する文字を入力すると、自動的に点字に変換。また、上下を示すマークが印刷されるので、点字の知識がなくても取り付けやすい。
点字を作成する専門機器は通常10万円ほどだが、こちらは1台4万5150円。
「テプラ」を使って、東京・渋谷の東急百貨店本店では、購入した化粧品などの瓶に点字を張るサービスを始めた。また長野県のCD・書籍ショップ平安堂長野店でも、購入したCDに点字でタイトルを張ってくれるという。
視覚障害者向けの商品を販売している会社「大活字」(東京)では、凸型の小さなシールが人気商品となっている。16個入りで250円。1個は直径8ミリ、高さ2ミリほどで、携帯電話のボタンや部屋の照明スイッチなどに張れば、目の不自由な人向けの印になる。
これまでは透明のみだったが、最近黒色も登場。弱視の場合、目でもある程度判断できるため、黒色なら手触りだけでなく、視覚を生かすことができる。色や突起などを組み合わせれば、障害のある人にもより使いやすくなる。
同社の市橋正光さんは「生活の中に様々な機械が増え、識別しなければならないボタンなどは増えている。こうした製品を手軽に使ってもらえれば、障害のある人も暮らしやすくなるはず」と話す。
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んー、いいですねぇ、こういう社会づくり。動画も表示できる点字ディスプレイなども開発されているようで、視覚障害者の方でも暮らしやすいようにしていくのが健常者の務めでしょう。手軽に点字を作成できるツール、そして点字をすぐ活字に起こすツール(点字読み取り機)などがあれば、より距離が近くなると思います。