大阪市住之江区で生後3カ月で変死した阿部颯ちゃんにけがを負わせたとして両親が逮捕された事件で、颯ちゃんを診察した大阪市立住吉市民病院(住之江区)の医師が昨年11月末、カルテに「虐待」の可能性を示唆する記載をしていたことが、市への取材でわかった。同病院は市こども相談センター(児相)に通告していなかった。
颯ちゃんは両足骨折で昨年11月30日に入院し、同12月10日に退院。翌日、呼吸停止状態で救急搬送され、約1カ月後に亡くなった。
入院当日の昨年11月30日の診察で、医師はカルテにけがの原因として「先天的な骨の形成不全」「ホルモンの病気」に加え「虐待」と記入。原因などを調べるために颯ちゃんを入院させた。父親のA容疑者(21)=傷害容疑で逮捕=と母親のT容疑者(34)=同=は骨折の原因を「飲み会で知人の子どもに足を踏まれた」などと説明したという。
入院中の12月6日、同じ医師がT容疑者に「児童相談所に相談したらどうか」と提案したところ、T容疑者は「市の助産師さんらに見てもらっているので十分。児相に行くと虐待と思われ困る。夫と相談したい」と答えたという。
同容疑者は同9日に来院し、「夫と話し合い、児相には相談しないことに決めた」と説明。同病院は10日にそのまま退院させた。
同病院は「(T容疑者は)出産時も担当し、医師とも顔見知りだった。子育てに熱心で、骨折の他に目立った外傷がなかったことから児相に通告しなかった」と説明。大阪市病院局は「今となっては客観的なけがに基づいて判断して、もっと早く児相などに相談すべきだった」としている。
虐待疑ったら、もう結構な勢いで児童相談所に伝えちゃっても良かったと思いますね。
一番早くに発見できるのが医療従事者ですので・・・。