東京理科大薬学部(野田市)と札幌医科大の研究グループが、血液のがんである白血病の再発を防ぐ治療法を開発した。抗がん剤と一緒にペプチド(アミノ酸の集合体)を投与し、骨髄に付着しているがん細胞をはがして抗がん剤の効果を発揮させることで再発を防ぐ。マウスを使った実験では大幅に生存率が改善しており、今後は早期の臨床試験を目指す。
研究グループは、東京理科大薬学部の深井文雄教授と札幌医科大の新津洋司郎教授ら。動物実験でマウス6匹ずつの3グループに分けて人間の白血病細胞を注射したところ、抗がん剤とペプチドを併用したマウスは62日目でがん細胞が消滅したことを確認した。何も投与しないマウスは平均30日、抗がん剤だけを投与したマウスは同40日で死んだ。
国内では、急性骨髄性白血病の発症者は年間約5000人。同白血病は抗がん剤を投与すると、約8割が、いったんがん細胞が消えたように見えるが、再発する場合が多い。抗がん剤を投与しても血液を作る骨髄に残ったがん細胞が増殖、再発してしまうため5年の生存率は約3割にとどまっている。
抗がん剤はがん細胞が骨髄に付いていると効きにくく、「FN314」というペプチドを同時に投与するとがん細胞がはがれやすくなり、抗がん剤が効果を発揮するという。深井教授らは、マウスだけでなく人間の場合もペプチドとの併用で生存率が上がるとみている。
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急性骨髄性白血病といえば、本田美奈子.やアンディ・フグなどを思い出します。受診のきっかけとなる初期症状としては、「出血が止まらない、紫斑ができるなどの止血異常、風邪だと思っていたが熱が下がらないなどの感染症、頸肩腕痛・全身倦怠感・息切れなどの貧血症状、腕にうちみの症状」など。気づきにくいのでご注意。
骨髄からがん細胞を剥がす処がポイント。素晴らしい着眼点です。そして抗がん剤で一網打尽に。札幌医大と理科大に期待です。