学会誌に発表取り下げへ、筆者「指導教授が指示」
山形大医学部の麻酔科学分野の研究チームが2005年4月に学会誌に発表した臨床研究の論文で、一部データをねつ造していたことが3日、わかった。
論文の筆頭筆者である20歳代の女性医師が読売新聞の取材にねつ造を認めて論文の取り下げを同誌に申し出ることを決め、共同執筆者に連絡を取り始めた。
論文は、がんがリンパ節に転移する恐れのある患者が、大動脈の周囲にあるリンパ節を切除する手術(拡大切除手術)を受けると、膵臓の機能に障害を与える可能性が高いという内容。
論文は、患者82人について、手術前後の血液中の「血清アミラーゼ」という酵素の値を調べ、平均値の変化をグラフ化。手術の後、膵臓の異常時にみられる同値の上昇が見られたことを示した。
データは、患者のカルテから集めたが、手術前の全員の値はそろわず、女性医師は「正常値に近い値を手術前の値として使った。指導を受けた教授から指示された」と話している。
女性医師は03年10月、研究内容を学会で報告。これを基に教授の指導を受けながら、約1年間かけて論文にまとめ、教授ら医局員5人との共同執筆として日本麻酔科学会の準機関誌「麻酔」に投稿し、05年4月に掲載された。
女性医師は「当時は研究の経験も浅く、指示の意味や重大性も理解できなかった。掲載直前に『出したくない』と思って周囲にも相談したが、教授には言えなかった。今思えば浅はかだった」と話している。
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一体どこから漏れたんでしょう。女性医師の良心が、周囲を行動に移させたのかもしれません。
それにしても教授…。