女性ホルモンのエストロゲンが、酵素の働きを抑え、動脈硬化の進行を遅らせていることを井口昭久名古屋大病院長らのチームがウサギの実験で突き止め27日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。動脈硬化の新しい治療法や薬の開発につながる可能性があるという。
研究チームは、エストロゲンを作る卵巣を摘出したウサギを2つのグループに分け、一方には高コレステロールの餌だけを、もう一方は同じ餌にエストロゲンを混ぜて15週間飼育した。
その結果、ウサギはともに高脂血症の状態になったが、エストロゲンを混ぜた餌を食べたウサギの大動脈では、餌だけのウサギよりも動脈硬化が起きた面積が7割も少なかった。また、エストロゲンを摂取したウサギでは、アルギナーゼという酵素の働きが抑えられていた。
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アルギナーゼとは、アルギニンを尿素回路内でオルニチンと尿素に分解します。30歳を過ぎると、脳下垂体からのアルギニンの分泌が完全に停止するため、以降は食事などで外部から補給します。
参考:wikipedia