2006年06月27日

日焼け止めクリーム内の粒子は脳細胞を損傷する恐れがある

日焼け止め中のナノ粒子が脳細胞損傷の恐れ 米国のマウス培養細胞実験

 ネイチャー・ニュースによると、米国研究者が一部の日焼け止めクリーム、歯磨き粉、化粧品など使われている酸化チタン(チタニア)のナノ粒子が神経細胞を損傷する可能性を発見した。これは、これらナノ粒子が人体に必ずしも有害であることを意味するものではない。しかし、より大きな粒子が有害でなければ同類物質のナノ粒子も安全という化学産業の主張への疑念は強まる。単により大きな粒子が安全だからといってナノ粒子の安全性は保証できないことを示唆する証拠は増えつつあるが、この発見は新たな一つの証拠を付け加えるものだという。

 Nanoparticles in sun creams can stress brain cells,news@nature,6.16

 研究者は、商業的に利用可能な直径30ナノメートルのチタニアナノ粒子を、マウスのミクログリアと呼ばれる培養細胞に加えた。この細胞は、外部から粒子が侵入すると、これを焼き尽くすことで神経細胞を保護する化学物質を放出する。この実験では、これら粒子は、短期的にはこうした化学物質を作り出したが、その放出が長期にわたって続いた。それは、脳をパーキンソン病やアルツハイマー病など神経性疾患の根本的原因と見られている酸化ストレスにさらす恐れがあるという。

 ただし、ロチェスター大学のナノ粒子毒性専門家であるGünter Oberdörsterは、健康にとっての現実的危険性を失すものかどうか言うには時期尚早だ、「これは貴重な結果だが、生体にまで拡張適用することについては大いに慎重でなければならない」と言う。

 記事によると、肌に塗られ、吸引され、摂取されたナノ粒子が脳にのぼる道を見出すことができるのかどうか、あるいはどんな濃度ならば脳にまで移動できるのか、誰も知らない。培養されたマウスの細胞に見られた影響は生きたマウスや人体では再現しないかもしれない。そして、酸化ストレスが神経細胞を損傷するという確たる証拠もないという。

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 未だ不明、ということですね。おそらく大丈夫でしょう。が、可能性が0ではないというところは考慮しておかなければなりません。できれば問題が起こる前に、「完全に無害なもの」に変わってほしいところですが。
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posted by さじ at 20:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 薬理
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