東日本大震災で被害が大きかった宮城県石巻市で、神戸大医 学部付属病院産科婦人科(神戸市中央区)の医師2人が妊産婦らを支援した。石巻市ではすべての産婦人科医院が被災し、石巻赤十字病院に妊産婦が集中。同病院で診療や手術に当たった2人は「家を失ったことなどが影響して、入院中の産婦が体調を崩すこともあった」と活動を振り返った。
石巻市では4カ所ある産婦人科医院がいずれも被災し、派遣時はうち1カ所がようやく外来や分娩を再開。妊産婦が集中した石巻赤十字病院では、正常分娩なら、通常より早い産後3日目程度で退院してもらうなどの対応を取っていた。
2人は、避難所なども巡回する必要がある常勤医らの支援として、分娩や外来、妊産婦健診などを担当。帝王切開手術も3日連続で実施した。
妊産婦には、被災の影響もうかがえた。30代の女性は、帝王切開による出産の約3日後から血圧が上昇した。話を聞くと「津波で自宅を流され、夫が職を失い、先行きが見えない」などと涙を流した。精神的なダメージが高血圧につながったとみられる。
健診では、泥だらけの母子手帳を持参する女性がいた。車に乗っていて津波に遭遇し、窓から逃げて助かったという。常勤医からは「津波を避けるため屋根の上に逃げ、2〜3日救助を待った妊婦もいた」という話も聞いた。避難所から外来に訪れた20歳代の妊婦は、風邪が治らないと訴え「避難所では水が不足し、うがいや手洗いが十分できない」と嘆いていた。
尊い命を抱えながらの避難、被災地生活はさぞかし大変だったことでしょう。。
ボランティアで参加した産婦人科医の方々もおつかれさまでした。
この糧を生かして、今後こういう災害時のマニュアルなどがあると、より妊婦を助ける事に繋がると思います。災害から色々得ないと、前に進めませんからね。