脳卒中の後遺症の筋肉まひなどにより会話時に鼻から空気が漏れる発音障害を改善するため、鼻の穴に差し込んで使う小型のバルブ装置を岡山大大学院医歯薬学総合研究科の皆木省吾教授(歯科補綴学)らの研究グループが開発した。
脳卒中の後遺症で脳の信号がうまく筋肉に伝わらなくなると、運動障害が生じる。のどの奥の弁状の筋肉「軟口蓋」がまひした場合は、鼻から空気が抜けて発音が不明りょうになる。皆木教授によると、バルブ装置は鼻に“ふた”をすることで空気の漏れを防ぎ、正確な発音を助けると同時に、内部のラバー製の弁の働きで普段通り息を吸えるという。
これまで発音障害の患者が使っていたアクリル製の器具は、口の中に固定して軟口蓋を押し上げる仕組みで異物感があった。バルブ装置は患者ごとに鼻の穴の型を取り、目立たないよう透明なプラスチックで製作。長時間使っても痛みや違和感が少ないという。
研究成果は27〜30日にオーストラリア・ブリスベーンで開かれる国際歯科研究学会で発表予定。将来は商品化も検討している。皆木教授は「自宅に閉じこもりがちな発音障害患者の社会復帰に役立つのではないか」と話している。
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こりゃイイですね。病気が元で閉じこもりがちになってしまう方にとっては活気的な装置だと思います。意外と、本人は気にするものですからね。どんどん外へ出かけられるよう、利便性を追求した医療品が開発されることを望みます。