三つ子の国内での出生比率は約40年前の約6倍、双子は約2倍とそれぞれ大幅に高まっていることが、南山大学の尾崎俊治教授(信頼性工学)らの研究でわかった。体外受精や排卵誘発剤など生殖補助医療による妊娠が増えたためと考えられるという。
尾崎教授によると、1968年では出生数全体に対する双子の割合は1.09%、三つ子は0.0106%。ところが2005年になると、双子が2.21%と約2倍、三つ子は0.061%で約6倍に増えていた。
双子などの出生比率については、19世紀の欧州の統計を元に計算した「ヘリンの法則」があり、それによると、双子の割合は89分の1(1.12%)、三つ子の割合はそのさらに89分の1(0.0126%)。1968年はほぼこの通りだった。
体外受精では複数の受精卵を子宮に移植することがある。排卵誘発剤を使うと複数の排卵が起きやすく、いずれも双子や三つ子などの多胎児になりやすい。
国内では83年に初めて体外受精に成功。それ以降、体外受精による出生数は1998年に9224人(129人に1人)、06年には1万9578人(55人に1人)と増えている。多胎妊娠は早産などのリスクが増すため、日本産科婦人科学会は2008年、子宮に戻す受精卵を原則一つとする指針を決めた。
尾崎教授は「多胎児出生率はここ数年わずかに減少しているが、今後も不妊治療を受ける患者が増え続けることから、多胎児の出生率の高さはしばらく続くだろう」とみている。
なるほど。不妊治療は画期的に進歩してますし、子供を持ちたいと願う夫婦にとっては画期的なことなんでしょう。
もちろんリスクをふまえた上で考えなければなりませんね。三つ子になると母体への負担もかかりますし、何より早産になりやすい。難しいところです。それでも新生児医療の発達とともに、救える割合も増えてますから、ありだとは思いますけれどね。