2011年04月17日

加齢男性性機能低下症候群(LOH症候群)とは何でしょうか

LOH症候群って、何でしょう

 「7年前にうつ病を発症してずるずる引きずっています。精神障害の認知度も高まっていますが、うつ病、更年期障害、LOH(ロー)症候群は別々の病気で、対処法も変わるのでしょうか」

 山形県の50代男性からは「友人がうつ病と診断され治療中です。テレビでLOH症候群の紹介がありましたが、彼の言動からはLOH症候群のような気がします。この病気の問題点、内容を教えてください」というご質問をいただきました。

 埼玉県の方が示す3つの病気は、もちろん内容も診療科も違います。うつ病は毎日沈んだ気分でやる気が出ず、不眠などが続く精神科の病気です。今回の震災で、家族が亡くなられたり、職をなくされたり、などのショックを受けた方は、どなたでもうつ状態になる可能性がありますので、周囲のサポートが必要です。

 脳の神経伝達物質のセロトニンとドーパミンのアンバランスが原因と思います。更年期障害は月経が終わった女性の女性ホルモン(エストロゲン)欠乏症。ほてりやイライラ、めまいなどの自律神経失調症の症状で、婦人科が専門です。

 最後のLOH症候群は日本語名が「加齢男性性機能低下症候群」。いわば、更年期障害の男性版で男性ホルモン(テストステロン)欠乏症とされる新しい泌尿器科の病気です。主な症状は、倦怠感、めまい、イライラ、睡眠障害、うつ、精神不安、勃起不全、やせる、など。

 女性の更年期障害と違い、ホルモン関連は勃起不全だけで、他はうつ病の症状に近いものです。実際、この病気の「診断の手引き」には「うつ病は類似しており、鑑別は難しい」と書かれているほどです。

 本来のうつ病はなかなか立ち直れないものですが、科学的な基準を持たない精神科医は、早い段階でうつ病と診断して患者さんに薬を飲ませます。さらに軽い状態でも「新型うつ病」などの病名をつける場合があります。多くの方が、本当は必要がないのにうつ病の治療を受けていると思います。

 私には、LOH症候群は、退職された男性が家庭で居場所がないようなとき、退屈で元気をなくし、時々イラつく状態と同じ程度のものに見えます。男性ホルモン剤を注射するような治療は、有り余る時間の有効な使い方を考えた後でも大丈夫と思います。



 何度も警笛を鳴らしているように、心療内科クリニックの怖いところは、「本当に精神科医としての修行を積んだかどうか分からない」点です。楽に稼げる開業として、ただの内科や、酷いときには外科が心療内科を掲げて治療することもあるでしょうねぇ。そういう医師にかかってしまうと、たとえ鬱病でなくても、他に原因があるとしても、抗うつ薬を出されるだけで終わってしまうかもしれません。

 しかしこのLOH症候群。日本ではなじみがないものですねぇ。実際、医師の中でも知っている人は少ないのでは。しかしこういう鑑別もあるんだ、ということも念頭において治療しなければなりませんね。


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posted by さじ at 23:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 内分
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