中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬調査専門組織「慢性期入院医療の包括評価調査分科会」(分科会長=池上直己・慶大医学部教授)が4月13日に開かれ、厚生労働省が昨年6月に実施した「医療施設・介護施設の利用者に関する横断調査」の分析結果を報告し、それを基に議論した。報告によると、治療中の疾患を看護配置や病棟の種類別に見た調査では、疾患の種類や医療区分の内訳にほとんど差が見られないことが分かった。
横断調査は、一般病棟(13対1、15対1)と医療療養病棟がある病院、在宅療養支援病院の届出病院・診療所などを対象に行った。
このうち、病棟ごとの在院日数90日を超える患者の割合は、一般病棟(13対1)では10%未満が53.5%を占め、一般病棟(15対1)でも20%未満が過半数を占めていた一方、医療療養病棟(20対1、25対1)では、80%以上の病院で半数を超えていた。
医療区分の病棟ごとの比較では、医療ニーズが最も高い「医療区分3」「医療区分2」が占める割合が、医療療養病棟(20対1)で87.1%と突出して高く、一般病棟(13対1、15対1)を20%以上も上回っていた。
しかし、疾患別構成(現在治療中の疾患)を一般病棟(13対1、15対1)と医療療養病棟(20対1、25対1)の4区分で見ると、いずれも各疾患の占める割合には大きな差が見られなかった。さらに、患者全体と在院90日超えの患者について比べても、ほとんど差がなかった。
また、直近1週間の検査の実施状況では、尿や血液の検体検査やX線、CT・MRIのいずれを見ても、一般病棟での実施率が高く、療養病棟では低かった。この結果について委員からは、「支払い方式が出来高か包括かという違いに由来している可能性が高いのでは」「この結果をもって、一般病棟がきちんとやっていて、療養病棟ではできていないとは言えない」などの指摘が上がった。
療養型は療養型でその意味を成しているのだから別に検査回数で「きちんとやっているか」を判断できない、ということは、どんな医者でも分かっていることだとは思いますが。