夜きちんと睡眠をとることで、十分な休息が得られるばかりでなく、加齢に伴う体重増加を抑えることができるらしいという研究結果が、サンディエゴで開催された米国胸部学会(ATS)国際会議で報告された。これは米ケースウエスタンリザーブ大学(オハイオ州)医学部助教授Sanjay Patel博士らによる研究で、明確な因果関係は示されていないものの、睡眠不足と体重増加との間に有意な関連性がみられるという。
今回、調査対象となったのは、6万8,000人以上の女性を16年間追跡したNurses Health Studyに参加した女性の一部。被験者は、2年ごとに各自の体重と生活習慣について報告した。期間終了時、睡眠時間が5時間の女性は、7時間の女性に比べ、33ポンド以上(約15キロ以上)の大幅な体重増加の認められた率が32%高く、肥満になった率は15%高かった。また、睡眠時間が6時間の女性は、7時間睡眠の女性よりも大幅な体重増加が12%多く、肥満は6%多かった。
「睡眠不足の人は概して健康に対する意識が低いことは確かだが、食生活の貧しさや運動不足など、いずれの因子についてもこの体重差の原因になっているという根拠はみられない」とPatel氏は述べている。実際、毎日7時間以上睡眠をとる女性は5時間しかとらない女性よりも食事量が多く、運動の習慣については、両グループの間にほとんど差がみられなかった。
この結果については、いくつかの説明が考えられるという。睡眠不足によって体のカロリー代謝効率が低下することが考えられるほか、両グループ間の運動の方法や食事の傾向に実際には差があった可能性もある。さらに、睡眠にあてる時間の少なさが、例えば子どもをもつというような大きな生活の変化を反映しているとも考えられる。子どもの数が多いほど睡眠時間は少なくなり、雑事に追われるため、ファストフードなど便利さ優先の食生活になりやすいとPatel氏は指摘している。別の研究では、強いいびきや夜間覚醒などの睡眠障害が体重に影響していることも示唆されている。
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やはり食事量が問題なのではなく、代謝能力が焦点なんですね。食べる量は多いけど太らない長眠者(ロングスリーパー)は、寝ることによって代謝能力が向上するため、太りにくい体質になる。
対して肥満に陥る人は、食生活もファーストフードなどに頼りがちな他、無理して短眠にしているために代謝能力も落ち、身体のほうに蓄えるエネルギー量が多くなってしまう、というわけですね。
無理しない短眠法もありますが、それはいずれ取り上げたいと思います。でも結構厳しいですよ。