アルツハイマー病を治療する新しいワクチンを東京都神経科学総合研究所などの研究チームが開発、効果と安全性をマウスの実験で確認した。
このワクチンの投与により、アルツハイマー病の原因とされるたんぱく質の脳への沈着を大幅に減らすことが可能となる一方で、ワクチン療法で課題とされてきた副作用もないという。13日の米科学アカデミー紀要電子版に発表された。
アルツハイマー病は、「ベータアミロイド」というたんぱく質が脳に蓄積し、脳神経細胞の維持に欠かせない他のたんぱく質の働きを阻害するのが原因とされる神経変性疾患。
開発されたワクチンは、このベータアミロイドを作るDNAを細胞内に取り込んで、体内に抗体を作り出すことにより免疫力を高め、ベータアミロイドの脳への蓄積を阻むというものだ。研究チームは、大腸菌の遺伝子で人工的に作ったベクター(運び屋)にこのDNAを組み込んで筋肉注射を行う方法を開発した。
生後6か月でベータアミロイドの沈着が始まるように遺伝子操作したマウスに対し、1〜2週間に1回のペースで発症前からこのワクチン療法を行うと、何もしなかったマウスに比べ、生後18か月でベータアミロイドの沈着部分が約61%も少なかった。発症後に治療を始めても53%減っていた。生後18か月はヒトの70〜80歳にあたるという。
同研究所の松本陽・参事研究員は「サルで安全性を確認し、3年以内に人での臨床試験を始めたい」と話している。
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抗体を作ることで沈着を阻害する手法とは。人間でも成功したら凄いことですね。
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