2006年06月13日

アクセサリーが引き起こす「鉛中毒」とは

アクセサリーの「鉛」法規制検討

 子ども向けの金属製アクセサリーに高濃度の鉛が含まれ、健康被害が懸念されている問題で、国は法規制を視野に入れ、安全対策に乗り出す方針を決めた。

 鉛を誤飲すると、消化管で溶け出し、体内に吸収されて鉛中毒を起こす。検討会は、価格の安い金属製アクセサリーが身近に広がっていることから、家庭用品に含まれる有害物質の規制を定めた家庭用品規制法の対象に盛り込むか話し合う。胃酸に近い状態で処理した時、鉛の溶出量を調べ、これをもとに鉛の許容量を設定。規制する製品の範囲や、誤飲防止の警告表示なども含め、年内に結論をまとめる方針だ。

 米国は昨年、金属製アクセサリーなどの鉛や鉛化合物の濃度を0・06%まで、胃酸に近い状態での溶出量を0・175ミリ・グラムまでとする暫定安全指針を公表。これを受け、東京都が今年3月に発表した調査で、子ども向けの指輪やネックレスの6割に、米国の指針を上回る高濃度の鉛が含まれることが判明。いずれも中国など外国製で、中には50%を超える製品も4割あり、都は、国に対し緊急対策を要望していた。

 鉛中毒 体内に吸収された鉛が、血液100ミリ・リットル中0.04ミリ・グラムを超えると中毒と判定される。症状は食欲不振、便秘、貧血、腹痛、腎臓障害、神経のまひ、脳症など。鉛が尿から排出され症状が緩和することもあるが、乳幼児は低濃度でも影響が大きく、脳症になると脳障害が残ることもある。

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 鉛中毒の症状

 鉛中毒の典型的な症状としては、性格の変化、頭痛、感覚の喪失、脱力、金属的な味を感じる、歩行困難、食欲不振、嘔吐、便秘、激しい腹痛、骨や関節の痛み、貧血などがあります。腎臓障害は、しばしば無症状のうちに進行します。

 年少の小児の場合は、ぐずったり、活発に遊ばなくなったりする状態が数週間以上続きます。突然脳症を発症し数日間で悪化することがあり、持続的な激しい嘔吐、錯乱、不眠を起こしたり、最終的にはけいれん発作や昏睡を生じます。

 成人の場合は性欲減退、不妊、男性では勃起機能不全が多くみられます。成人が脳症を発症することはまれです。

参考:メルクマニュアル家庭版
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posted by さじ at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 皮膚
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