信州大医学部付属病院(長野県松本市)は8日、長野県小谷村の北アルプス・白馬乗鞍岳で今年4月、雪崩に巻き込まれ、意識不明の重体となった埼玉県の男性(29)が2時間45分間の心肺停止後、意識を回復し、後遺症もなく、10日に退院すると発表した。
治療に当たった岡元和文教授は「心肺停止から回復した例では国内最長」と話している。
男性は4月8日午後2時ごろ、雪崩に巻き込まれ、翌9日午前9時7分、長野県警のヘリコプターで救出されたが、既に心肺停止状態だった。地元の病院で手当てを受けたが回復せず、同病院に転送。この間、救急隊員が心臓マッサージを続けたことなどが功を奏し、同11時52分、人工心肺装置をつけ、その1時間後に自力で心臓が動き始めた。
岡元教授によると、蘇生できた理由は、心臓マッサージのほか、〈1〉低体温だったため脳の酸素消費量が少なく、ダメージが少なかった〈2〉男性が若く体力があった――ことが考えられるという。
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心肺停止状態の場合、脳にいく酸素が少ないため、蘇生後、脳にダメージが残り後遺症となるケースがすくなくありません。が、今回のように低体温であったということ、また、救急隊員が心臓マッサージを繰り返し人為的に脳に酸素を送っていたことなどで、長時間の停止状態にもかかわらず蘇生したのでしょう。
身近で同じことが起こった場合、まずは心臓マッサージを。成人用と小児用の2つを覚えておくと完璧です。
参考:もしもの時は 応急手当の方法