札幌医大倫理委員会(委員長・當瀬規嗣医学部長)は30日、自分の性に強い違和感を持つ性同一性障害の患者2人への性別適合(性転換)手術の実施を承認した。性転換手術の承認は埼玉医大や岡山大などに続き、国内5施設目で、北海道で初めて。2、3カ月後に手術を行う予定。
患者はいずれも札幌市に住む41歳と42歳の男性。ともに幼いころから男の体であることに違和感を覚えた。03年に札幌医大で初診を受け、04年8月にホルモン療法が始まった。この日の倫理委で、患者の症状がこれまでの治療では十分改善せず、性転換後の家族らの支援体制も整っているなどとして手術実施を承認した。
手術では精巣摘出などが行われ、費用は120万〜130万円。全額が自己負担になる。
札幌医大では5月末現在、10〜40歳代の226人が治療中で、30人が手術を希望している。斎藤利和教授(神経精神科)は「患者の悩みは想像を絶するほどだ。道内で精神療法から手術まで一貫した治療が実施できる意義は大きい」と語った。
一方、全国では約100人が手術を受けた。日本精神神経学会は今年1月、治療ガイドラインを改訂、倫理委の個別承認を得なくても手術を認める考えを示した。このため、當瀬委員長は「今後も患者ごとに手術実施の可否を慎重に審査するが、将来的には学会ガイドラインに準拠していく」と述べた。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
性同一性障害は、心を変えるのではなく、心に身体を合わせることで苦痛から解放されます。排他的な日本ではまだまだ認められない部分が多いとは思いますが、こういった治療のできる施設が増えていくことは大きな進歩である、そう思います。
今までは埼玉医大が一番有名でしたけれど、各県でできるようになればいいですね。
関連:性同一性障害の小2男児を、女子生徒として受け入れる