東北大大学院工学研究科の厨川常元・教授(ナノ加工学)の研究グループは16日までに、同大学院歯学研究科の佐々木啓一、鈴木治両教授と共同で、歯の主成分ハイドロキシアパタイト(HA)の微粒子を歯表面に高速で噴射し、室温、大気圧環境下でHAの膜を歯表面に生成することに成功した。
虫歯治療で切削した部分に歯と同質のHA膜を盛り重ね、ほぼ元の状態に戻すことが可能。新しい歯科治療法として、実用化が期待されている。
装置は平均粒径が3マイクロメートル以下のHA微粒子を、ノズルから毎秒100―200メートルで噴射することができる。実験では膜が歯表面と十分に密着し、硬度も歯と同等だった。虫歯は通常、切削した患部にレジンを充てんしたり、詰め物を接着するなどして治療している。しかし、これらの物質と歯質は熱膨張率や弾性が異なるため、時間経過とともにすき間ができて脱落する傾向がある。
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虫歯ゼロの世界へ。でもこれ一般化するんですかね。研究レベルで終わらないことを祈ります。