金沢大病院で脳死と判定された50代男性から提供された両肺の移植を受けた岡山大病院の40代の女性患者が、出血が止まらず意識不明となったと、岡山大病院が26日、発表した。
女性は、アイゼンメンジャー症候群。病院によると、女性への手術は同日午前6時に開始したが、肺と周囲の組織の癒着が強く、出血が止まらなくなった。移植した肺もほとんど機能していない。
手術は午後5時20分ごろ終了、女性は集中治療室(ICU)で治療を受け、人工肺をつけている。
脳死移植は国内45例目。心臓と肝臓は東京大病院、膵臓と片方の腎臓は神戸大病院、もう片方の腎臓は金沢医科大病院で、それぞれ移植手術を実施した。
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これの続報です。不運にも肺移植は失敗。非常に残念です。アイゼンメンゲル症候群は、肺移植しか手立てはないんですよね。手塚治虫の漫画「ブラックジャック」で、母親と息子の肺を繋げたシーンを覚えておりますでしょうか?あれがアイゼンメンゲル症候群です。
しかし肺の臓器移植は相次いで失敗していますね。ですが、失敗から学び取って成功を導くのが正しいと思いますので、めげずに頑張っていただきたい。
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心臓の中隔に欠損があると動脈血の一部が欠損孔を通って流れてしまいます(左→右短絡)。しかし欠損孔が大きくなると短絡を流れる血流量が増し、肺動脈圧が上昇します。すると右心系の圧力の上昇が起こり、逆短絡である右→左短絡が生じ、血液の流れが逆になり、静脈血が左心系や大動脈に流れ、皮膚が紫色になるチアノーゼが現れます。このような状態をアイゼンメンゲル症候群といい、先天性心臓疾患の約8%にみられます。呼吸困難や動悸があり、気管支炎や肺炎を繰り返し進行性に悪化します。
引用:アイゼンメンゲル症候群