先日、脳ドックを初めて受診しました。専門病院での検査はこの半年だけで、大腸のカメラ検査、胃カメラ検査に続いて3度目です。そろそろ体にガタが来る年齢に達したということなのでしょう。しかし、自分の体の中をのぞいてみると、「結構頑張ってるな。大事にしてやろう」という気持ちになるから不思議です。
前の検査では胃で荒れている部分が見つかるなどして、「お酒は少し控えるように」などの注意を受けました。今回は頭の中の検査です。正直、何か見つかったらどうしようと思いながら、広島市内の民間病院を訪ねました。
脳ドックは通常、MRI(磁気共鳴画像化装置)という機器を使って、脳の断面や血管、首の動脈を精密検査します。症状が現れる前に脳の病気や危険因子を見つけ、脳こうそくなどを予防するのが目的です。料金は病院によって多少違うようですが、私が受診した病院は4万円でした。健康保険などは適用されません。
ベッドの上にあおむけに寝ると、頭を固定され、トンネルのようなところへ入れられます。意外だったのは検査中、かなり大きな音が響いていたこと。まるで工事現場にいるような気分です。時間は約40分かかりました。
検査終了後、医師がコンピューター画像を見せながら説明してくれます。まず、脳の断面が映し出されます。医師が言います。「脳こうそくというのは、発生する場所によっては何の症状も引き起こしません。ですから、脳こうそくは起きているけど、症状も自覚もないという人が結構いるんです」
「へえー」と驚きました。逆に言えば、ひとたび起きてはならない場所で脳こうそくが起こると、身体のまひなどの重大な結果につながるということです。私の場合、脳こうそくなどの症状は見られませんでした。次に脳内の血管の立体映像も見せられましたが、こちらも異常なし。とりあえず、ほっとしました。
さて、3番目の首の動脈です。動脈が二つに枝分かれする部分が首の左右にあるのですが、左の方の分岐点で血管が細くなっている疑いを指摘されました。ここが細くなると動脈硬化が起きやすく、血栓が出来やすくなります。血栓の一部が脳の毛細血管に流れ込むと、脳こうそくを引き起こす危険があるそうです。
このため、この部分を今度は超音波を使って検査することになりました。結果は「問題なし」。安心したのでしょう。「また3年ほどしたら受けて下さい」との医師の言葉に、「はい」といつになく素直に返事している自分に気付きました。