乳がんのホルモン療法剤の一種で、すでに90カ国以上で発売されている「レトロゾール」(商品名フェマーラ)が11日から国内でも発売される。
閉経後の乳がんの増殖にかかわる酵素の働きを抑える「アロマターゼ阻害剤」の一種。手術後の再発予防や、手術が困難な進行・再発患者への新たな選択薬になる可能性がある。販売はノバルティスファーマと中外製薬が共同で行う。1日1錠の飲み薬で、薬価は1錠687.5円。
近年、この薬の有効性を認める国際的な大規模臨床試験の報告が相次いでおり、新たな選択肢を望む患者の声が高まっていた。
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今までの、乳がんの術後補助療法としては、ホルモン剤であるタモキシフェンが最長5年をメドに利用されていました。が、5年を超えて治療を継続する有用性は証明されておらず、従来はタモキシフェン療法終了後の補助療法は存在しませんでした。
レトロゾールは、手術直後から投与した場合でも、タモキシフェン療法後に投与した場合でも、再発リスクを減らすことができることが大規模臨床試験によって証明された唯一の乳がん治療薬ということで、新たな光となりそうです。