高知大病院(高知県南国市、倉本秋院長)は10日、入院患者用の簡易トイレを洗う柄付きブラシを介して、多剤耐性緑膿菌の院内感染が起きたと発表した。
病院によると、洗浄道具による感染報告例はなく、初めてではないかとしている。
2月に入院した女性患者がこの菌を保菌しており、4月に別の女性患者も保菌していると判明。両方の菌の遺伝型が一致したため、ほかの患者や院内の設備などを調査した。その結果、さらに4人の女性患者の尿や便から同じ菌が見つかった。1人が発症したが、既に完治した。
簡易トイレを洗うためのブラシからも同じ菌が検出され、病院は、複数の簡易トイレを同じブラシで繰り返し洗っていたことが原因と判断。1度使ったブラシは処分するなどして、再発防止に努める。
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ん・・・?えーと、つまり、簡易トイレを掃除していたブラシに緑膿菌がくっつき、そこから何らかの原因で便器以外の場所(例えば水を流す取っ手とか)に付着し、院内感染が起こった、ということかな。
耐性をもった緑膿菌は、実は結構ヤバイのです。1980年代に緑膿菌対策として開発されたβラクタム薬やニューキノロン薬などにも最近では耐性ができてしまっています。
そして「メタロ-β-ラクタマーゼ」を産生する緑膿菌という存在が、今後大問題に発展する可能性もあります。現段階の医学では、効く薬が全くないのです。早急に、メタロβラクタマーゼ阻害薬の開発が求められます。
参考:感染症の話