首から下が全く動かない重い障害をもちながら、自立した生活をしたい、とフィリピンにわたった障害者がいる。日本で限界を感じた自立生活を、物価の安いフィリピンで実現しようというのが理由だった。わかっているだけで、日本からフィリピンに移り住んだ重度障害者は10人近いという。
四肢まひの寺本一伸さん(48)。7年前、単身フィリピンに渡った。ミンダナオ島に一軒家を借り、フィリピン人ヘルパー3人に24時間の介護を受けている。
金沢市出身。小学校教師だった16年前、交通事故に遭い、首から下が全く動かない頸椎損傷になった。
障害者施設で3年過ごしたが、失禁でベッドを汚した入所者をしかり付ける声などが響くのを聞きながら、耐えられないと思った。買い物のための自由な外出は年1回だった。
東京都内にアパートを借り、学生ボランティアらの助けを得て一人暮らしをしたこともあったが、自分の思うようにはいかず、落ち込んだ。
そんな時、フィリピンに日本人の障害者が滞在できるNGO施設「日本人身障者の家」があるのを知り、2カ月間滞在してみた。気候は暖かく、フィリピン人ヘルパーの世話も心地よかった。
帰国したものの、日本での自立生活は難しいと感じ、かばんと車いす用のアルミ製スロープ板を持ちフィリピンへ移ったのは、99年3月だった。
雑誌に求人広告を出してヘルパーを雇い、中古のワゴン車を買って週3回は運転手を雇い、買い物や会合に出かける。口にくわえた割りばしで、パソコンを操作し、日本の友人ともメールをやり取りする。ヘルパーらの人件費は月5万〜6万円程度。月11万円の障害者年金などでやり繰りする。日本ならば70万〜80万円はかかるという。
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こういう形の国外脱出も今後増えてゆくのかなぁ。
認知症で、老人病院に入院中の祖母をもつ
ようちゃんといいます。
そんなことがあるんですね。
知りませんでした…
そういう人たちが、日本で暮らせないって悲しいですね。
フィリピンの人が見たら、なんて冷たい寂しい国なんだ、と思うかもですね^^;
私もこのニュースを見て初めて知りました。
国外脱出といえば、「臓器移植」も同様です。安価な手術、高いドナー率、その裏にあるのは人身売買。にもかかわらず日本人はアジア諸国に旅立ちます。こういった医療面を自国のみで賄えず、「臭いものにはフタ」な政策を取っている現状は、恥じるべきことですよねぇ。