若い女性に目立つ低血圧。大病を招きかねない高血圧と違って軽く見られがちだが、めまいや頭痛、疲労感などの症状に悩む人にはつらいもの。症状を和らげるには生活習慣の見直しが欠かせない。
低血圧は一般に、高い方の血圧(収縮期血圧)が100(単位はミリ水銀柱)以下の状態をいう。しかし実は明確な基準はなく、90や110が目安とされることもある。
日本医科大名誉教授で血圧異常に詳しい長澤紘一さんによると、血圧が低めなこと自体は悪いことではないという。高血圧のように心筋梗塞や脳卒中など深刻な病気を引き起こすわけではない。
また、低血圧は20歳代から30歳代の女性に圧倒的に多いそうだが、血圧が低くてもなんの不調も感じない人がけっこういるという。
「血圧の数値が低いだけなら治療の必要はありません。症状を伴い、生活の質が下がってしまう場合だけが問題なのです」
症状はさまざまだ。大阪医科大の田中英高准教授が低血圧に悩む男女419人の症状を調べたところ、めまい・立ちくらみが3割以上と最も多かった。頭痛、疲れやすい、朝起きられないという回答も目立った。耳鳴りや下痢を訴える人もいた。
低血圧には、背景に病気があるものと、ないものがある。背景に病気がない低血圧は体質的なもので、心臓や血管の働きをコントロールする自律神経の乱れが影響すると考えられている。
低血圧の人はもともと、朝から日中にかけて活発になる交感神経と、夜間やリラックス時に優勢になる副交感神経の切り替えがうまくいっていないのだと長澤さんは説明する。
朝が苦手だからと夜型の生活を送っていると、自律神経のバランスをさらに崩してしまう。
「生活リズムを整えるのが一番の治療。血圧そのものは上がらなくても、症状は軽くなります」
夜はなるべく静かに過ごす。パソコンやテレビを控え、照明も暗めに。朝は一定の時刻に起きる。朝食で体を目覚めさせ、日中は15分間の散歩程度でもいいから体を動かす。
東京女子医大東医療センター病院長の大塚邦明さんは、めまいや立ちくらみがしたときや起床時に、即効性のある対策として水を500cc(コップ2杯ほど)飲むことを勧める。5分後から上の血圧が10以上は上がり、約90分間持続するという。
生活習慣を改善しても体調不良が続くようなら、循環器内科などへ。昇圧剤や自律神経調整薬、抗不安薬などが使われることもある。自覚症状が治まれば、医師の指導のもと薬はやめられる。
低血圧には背景に病気が隠れているものもある。「最近、急に血圧が下がった」という場合は要注意。原因として心臓病や消化管からの出血などが考えられる。元の病気を早期発見し治療するためにも循環器内科などを早めに受診しよう。長澤さんらによると、低血圧のつらさを理解せず、診察に消極的な医師も少なくない。医療機関に問い合わせをしてから受診する方法もある。
出血とかで血圧が下がったんなら、早急に治療は必要としますけれども、
もともと日常生活を送っていて、低血圧な人というのは、症状が辛くなければ大丈夫なことが多いです。
症状がなくても高血圧、というのは要注意なんですけれどもね。
この記事勉強になるなぁ。なかなか、低血圧というものの対処法って、医師によっても曖昧ですからね。基本、大丈夫でしょうーって言うだけで。