乳がんの手術を受け「温泉に行けなくなった」と嘆く女性のために、福岡市・天神で乳がん専門クリニックを開く高木博美院長(46)が温泉ツアー「ほっとマンマの旅」を企画した。旅館を貸し切り、人目を気にせずに温泉を楽しむ全国初の試み。高木院長も同行する予定で「同じ体験をした女性同士でくつろぎ、心も体も癒やしてほしい」と話している。
高木院長のように女性医師が経営する乳腺外科専門のクリニックは全国で他に1カ所しかなく、北海道や沖縄の離島など全国から患者が訪れる。
手術後の女性からよく聞くのが「手術をしてから大好きな温泉に行けなくなった」という声だった。高木院長は02年秋、クリニックの患者会「カトレア会」(約420人)の会員70人で大分・湯布院の温泉旅館を貸し切り、乳がん患者だけの温泉旅行を実現させた。
他人の目を気にしなくていいだけでなく、「男湯」や部屋付きの湯にも入れる貸し切りならではの特典付き。悩みも共有でき、参加者には「互いの傷を隠すことなく付き合えて本当に良かった」「同じ痛みを感じた人だからこそ分かり合えた」と好評だった。
今回は、患者なら誰でも参加できるようにして、高木院長が温泉旅館と直接交渉、JTB九州の協力を得て実現させた。ツアー名のマンマはラテン語で乳房の意味だ。
高木院長は「旅館従業員の啓発にもなり、患者への理解を促すことにもつながる。多くの人に参加してもらい、乳がん患者の温泉旅行を増やしたい」と話している。
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こりゃいい企画ですね。最近の乳がん手術後の形成術は目覚しい発展を遂げているようで、形だけでなく乳首まで造ってしまえるとか。
ところが、見た目上はホンモノそっくりでも、他人に見せるのには抵抗があるという方が多いようです。ならば行きやすいようにしようではないかというこの企画。心のリハビリを経て、普通に温泉へいけることを願って。