副作用が問題となっている肺がん治療薬「ゲフィチニブ」(商品名・イレッサ)について、厚生労働省は26日、販売を開始した02年7月から今年3月末までの副作用結果を公表した。間質性肺炎や急性肺障害の副作用を起こした人は1631人に上り、643人が死亡した。欧米ではイレッサの使用禁止が広がっている。
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肺がんの薬としては非常に有名な「イレッサ」です。有名な反面、副作用の問題も指摘されていました。
イレッサは、ある種のがん細胞の表面にある「EGFR(上皮成長因子受容体)」と呼ばれるタンパク質を抑制することで増殖を防ぐと考えられています。EGFRはチロシンキナーゼと呼ばれる酵素を活性化し、がん細胞が増殖する働きを持っています。
関連:イレッサ薬害被害者の会
引用:イレッサ錠
このお薬により、急性肺障害や間質性肺炎と呼ばれる副作用が報告されています。
これは、イレッサ錠がきっかけとなって、何らかの機序で肺の組織が破壊されてしまう病状で、呼吸機能が損なわれて致死的な経過をとることがあります。飲み始めて比較的早期(多くは4週以内)に発現していますので、注意が必要です。
この副作用が肺がんの一般症状と似ているため、ご自身で状態を判断されるのは大変難しいことから、以下のような症状があらわれたり増強した際は、すぐに医師に連絡し、受診して下さい。また、急性肺障害、特発性肺線維症、間質性肺炎、じん肺症、放射線肺炎、薬剤性肺炎などにかかったことのある方は、この副作用が強くあらわれやすいようですので、あらかじめ医師に伝えておきましょう。
<代表的な症状>
空咳(痰の出ない咳)、息切れ、発熱、息苦しい、呼吸がしにくい、呼吸が速くなる、唇が青紫色になる、脈が速くなる、汗が出る、体重が減る