血管再生の働きがある肝細胞増殖因子(HGF)を使い、足の動脈が詰まる患者を治療する臨床研究について、大阪大学病院の遺伝子治療臨床研究審査委員会(委員長・堀正二教授)は26日、効果の確証が得られなかったとする最終報告書案をまとめた。5月に文部科学、厚生労働両省に提出する。
臨床研究で使われた遺伝子治療薬は、森下竜一・同大教授が主な特許を持ち、99年に事業化をめざして「アンジェスMG」を創業した。同社は01年に大手製薬会社と提携し、02年には東証マザーズに上場している。
同委員会によると、治療は、閉塞性動脈硬化症などにより足の血管が詰まった患者17人の計22本の足に対し、HGFを注射。治療後の血流、潰瘍や痛みなどの改善具合を調べた。
委員会によると、重症な15例のうち、9例が3、6カ月後の検査で改善を示し、うち7例が2年後の検査でも改善を維持していた。しかし、同委は、薬が効いていなくても心理的な効果で改善する偽薬効果を調べていないなどとして「改善をもたらしたとの結論に達するには科学的な根拠が十分でないと考えた」との慎重姿勢を示した。
森下教授は「次の段階の臨床試験をしないと効果は明確にはならない」とし、アンジェスMGで100人以上を対象とした治験を進めている。
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あちゃー…。これは下記ニュースの続報ですね…覚えていますか?
関連:遺伝子治療で閉塞性動脈硬化症(ASO)を治そう
しかしまさかベンチャー企業まで作っていたとは。それだけ自信があったのでしょうか。
いや、でも記事を読む限りでは「効果はあると思うけど、確実とは言い切れないからもうちょっと治験やる」みたいな感じですよね。ブラセボの可能性を何で考慮していなかったのかは謎ですが、まだまだこれから、期待していきましょう。