歯周病やインプラントの治療で切除、廃棄された歯茎から万能細胞「人工多能性幹(iPS)細胞」を作ることに、大阪大の江草宏助教と京都大の山中伸弥教授らの共同研究チームが成功した。研究成果は14日付の米オンライン科学誌プロス・ワンに掲載された。
江草助教は「歯茎の細胞は増殖能力が高く、iPS細胞の作製に適している。歯茎は手術で切除されることが多く、有効活用になる」と説明。あごの骨や歯の再生に応用が期待できるという。
研究チームは、インプラント治療で切除した男性患者の歯茎を活用。世界で初めてiPS細胞を開発した山中教授が発見した4種類の遺伝子を、培養した歯茎の細胞に組み込むと、神経や軟骨などになるiPS細胞ができた。
むし歯予防、フッ化物うがいで 保育園から中学まで、長く続けて効果
熊本県内の子どもはむし歯が多い。1歳6カ月でむし歯を持っている割合は4・30%と全国最下位、12歳児の永久歯のむし歯数は2・6本と全国ワースト2位(いずれも2008年度)だ。むし歯予防のために県や県歯科医師会などが歯磨きやおやつの取り方指導とともに推進しているのが、フッ化ナトリウム水溶液で口の中をすすぐ「フッ化物洗口(うがい)」。県内では玉東町が保育園、小学校、中学校と町を挙げて集団洗口に取り組んでいる。9月定例県議会では、洗口の普及を盛り込んだ条例案も討議される。
玉東町では1995年から保育園2カ所、2007年から小学校2校、中学校1校のすべてでフッ化物洗口を取り入れている。保育園から中学校まで継続実施しているのは、県内では同町と阿蘇市波野地区だけだ。
町や歯科医師、保育園長、小中学校教諭、保護者らで歯科保健連絡会議を定期的に開催。フッ化物の安全性や効果、洗口の方法など学習を重ね、子どもたちへの集団洗口について理解が得られたという。町保健介護課は「保育園で先行実施しており、小中学校でも継続してほしいという保護者の要望が強かった」とする一方で、「学校現場には安全性や方法について疑問や戸惑いがあった」。
保育園では毎日1回、決まった時間に保育士が洗口液を園児に配り、音楽に合わせて1分間、ブクブクうがいをする。小中学校ではより濃度の高い液を使用するため、週に1回の洗口で効果があるという。液は保健センターで作り、各学校に届けている。いずれも希望者のみだが、小学校まででほぼ100%、玉東中でも8割以上の生徒が参加している。
町が5年ごとに取っている統計では、95年度は1人あたりの永久歯のむし歯本数が小学6年で4・2本、中学3年で5・04本だったのに対し、09年度は0・4本(小6)、1・03本(中3)とそれぞれ大きく減少した。両学年とも保育園時にフッ化物洗口をしており、歯磨きなどの指導と合わせ、効果が表れているといえる。
町は「20歳前後や40歳代からの節目の年に歯科健診を実施することで、フッ化物洗口の効果を検証するとともに、継続的に歯の健康をチェックし、8020(80歳で自分の歯が20本)を達成できるようにしたい」と話している。
歯茎ニュースと虫歯ニュース。iPS細胞という最先端の治療法も今後利用できるかもしれませんが、やはり身近な虫歯予防としてはフッ化物を用いたものか。もしこれで効果があれば今後の子供の虫歯激減に期待できそうですね。