2006年04月11日

臨床心理士が極低出生体重児の母親をサポートする

出産直後の母親に臨床心理士を派遣 1500グラム未満の新生児育児支援

 体重が1500グラムに満たないまま生まれた極低出生体重児の育児をサポートしようと、県は本年度から、出産直後に母親のもとに臨床心理士を派遣する独自事業を始める。極低出生体重児の出産は年々増加傾向にあり、母親は将来への育児不安などで精神的に不安定になるケースも多い。県は5月にも関係者を集めた連絡会議を開き、具体的内容について協議する。

 県健康づくり推進課によると2004年、県内で生まれた極低出生体重児は130人。妊娠期間が22―24週(通常は40週)の早産が多い。県全体の出生数に占める割合を5年ごとに比較すると、1989―93年は0.58%だったが、99年―03年は0.77%に増えている。

 極低出生体重児の増加は「女性の喫煙率の上昇などに加え、医療の発達で早産でも救える命が増えた結果」(同課)だ。多くは出産直後に母親から離され、県内では熊本市民病院など3医療機関しかない新生児集中治療室(NICU)で数カ月間、治療を受ける。母親は早産で産んだことへの罪悪感にさいなまれたり、将来の育児に不安を抱くケースが多く、中には虐待に結び付くこともあるという。

 事業は、NICUがある医療機関からの連絡を受け、県が臨床心理士を派遣。母親を心理面からサポートするとともに、退院後も保健師が自宅を訪問したり、極低出生体重児の育児教室を開くなどして、母子の成長を見守る。

 04年の1年間で80人の極低出生体重児が生まれた、熊本市民病院・総合周産期母子医療センターの近藤裕一部長は「医療機関が母親をサポートできればいいが、現実には余裕がない。母親側も医師や看護師より第三者の臨床心理士が話しやすいなどメリットがあると思う」と話している。

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 低出生体重児が増えたのは、親側の異常というわけではありません。今まで救えなかっただけなのです。医療の進歩により、前置胎盤や切迫早産などの「ハイリスク妊娠」でも、出産し、成熟させることができるようになりました。

 このため妊娠24週未満を流産、それ以降を早産としていた定義が1993年に改正され、現在では妊娠22週未満を流産、22週以上37週未満を早産としています。今のところ妊娠22週未満の児を救うのは不可能ですが、これから更に医療が発達すれば、可能となるかもしれません。

 ちなみに妊娠期間22週の平均身長と体重はどのぐらいなのでしょうか?

 男児の平均身長は29.8cm、女児の平均身長は29.2cm。
 男児の平均体重は514g、女児の平均体重は477gとなっています。

 (1998 小川らの報告による)
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posted by さじ at 18:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 精神
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